第19章 B・W
「……!!剣士殿…!!!貴殿の力を見込んで理不尽な願い申し奉る!!!」
「まつるな!知るかよ手を離せ!!」
お、ゾロの声が聞こえるじゃん。そろそろと建物から顔を出して様子を伺ってみると…ゾロと、血だらけでゾロの足を掴んでいる髪巻き過ぎ村長。どういう状況?
「…あの2人組、両者とも“能力者”ゆえ私には阻止できん!!!変わって王女を守ってくださるまいかっ!!!どうか!!!」
「………王女?」
王女というキーワードが気になって出てきてしまった。相手は敵ではないみたいだし、ゾロがいるから安全だと思ったからだ。
「……あ?起きてきたのか。」
「そりゃあんなにうるさかったらね。」
ま、それで起きたわけじゃないんだけども。暴れてた理由は分からないけど、そのうち分かるだろう。それよりも…
「ねぇ、王女ってどういうこと?守るって…いったいどうしてほしいの?」
「おい……やめとけ、余計なことに首突っ込むな。」
そんなこと言われても…ねぇ?その王女っていうのがちょっと思い出しそうなんだよね。
「遥か東の大国“アラバスタ王国”まで王女を無事送り届けて下されば…!!!ガなラヅや莫大な恩賞をあなだがだに…お願い申し上げる…!!どうか王女を助け…ガ…」
「もっぺん切るぞ。」
あ、切ったのお前か!アラバスタ王国……なんか聞いたことあるぞ。アラバスタ……う〜ん…
「莫大な恩賞ってホント?」
考えていると、上の方から声が聞こえた。見ると………あれ?さっきまで酔って寝てたんじゃなかったっけ……
「その話ノッた♡10億ベリーでいかが?」
「ナミ!!!」
ゾロが叫ぶ。…………え?待って10億って言った?
「じゅ……………10億べ…ゴホッ…マ〜〜マ〜〜マ〜〜♪」
ほら、イガラムさんも驚きすぎて特徴的な声直しをしちゃったじゃん。
「てめぇ酔い潰れてたんじゃ…」
「あのねー…こんな海賊を歓迎する様な怪しすぎる町で安心して酔ってられますかっての。え・ん・ぎ!!まだまだイケるわよ私っ!!」
「はー、そうかい。」
演技だったのーっ!?結構飲んでたじゃん、まだまだ飲めるっていうの!?どんだけよ?