第18章 歓迎の町ウイスキーピーク
ピシャ!!!
空が大きな音を出して光った。いきなりの雷で慌ててしまった私はその場をわたわた駆け回った。嘘でしょ、大雪降ってるっていうのに雷!?やっぱりグランドラインの異常気象は半端ない。その時
「あーーーーーっ!!!!」
ナミの大きな声が響いた。普通の雷よりもビビったんだけど、何事や。てかさっきもそれやったよね。
「な!!何だどうした!!!」
「何事っすかナミさん!!!」
すぐに船内にいたナミが慌てた様子で出てきた。目線は腕についているログポース。
「180度船を旋回!!急いで!!」
「180度!?何で引き返すんだ。」
「忘れ物か?」
「違うわよ!!船がいつの間にか反転して進路から逆走してるの!!!ほんのちょっと『記録指針(ログポース)』から目を離したスキに!!!波は静かだったのに…」
ほんのちょっとでもログポースから目を離しちゃだめだってことだね。でも、ナミの航海術が役に立たないなんて…
「偉そうにウタってないでさっさと手伝え!!!」
ナミが船内にいただろう二人組に蹴りを御見舞して無理矢理外に出した。うわぁ、扱い方が雑…だが、多分何かナミの癪に触るようなことを言ったんだろう。
「ブレイスヤード右舷(うげん)から風を受けて!!!左へ180度船を回す!!ウソップ三角帆(うしろ)を!!」
「おう。」
「サンジくん舵とって!!」
「任せろナミさん!!!」
「うるさい!!」
ナミの的確な指示にみんなが動き始める。サンジはナミの指示の返事に倍の声量を出したため怒られたが。
「おい待て風が変わったぞ!!!」
「うそっ」
「「春一番だ。」」
「何で!!?」
「ゾロ!!起きろ!!!緊急事態だぞ!!」
船の端っこでぐーすか寝ているゾロに叫ぶウソップ。え、まだ寝てたの!?どういうこと!?寒すぎて冬眠しちゃった!?
「あ…あー、私が起こすよウソップ!船をお願い!」
「おう、任せろ!頼むぞ!」