第18章 歓迎の町ウイスキーピーク
状況が状況だから私しか空いていない。だから引き受けたはいいものの、こいつ絶対起きないぞ。
「ゾロ〜、起きてよ〜。ゾロのこの怪力が今すごく必要なんだよ〜。」
ゆさゆさ揺らすがイビキが止まる様子はなく。えー、どうすんのこれ。この間にも氷山にかすったり、水漏れしたり、霧が出てきたりなど激しい異常気象が起こっていた。
「なまえちゃん、こいつなんかほっとけ。もうどう起こそうが起きやしねぇ。それより、おにぎりどうだい?」
しばらくしてから忙しいみんなの為におにぎりを作ったらしいサンジが話しかけてきた。
「え、ありがとう…」
そして慌ただしそうにまた船のお手伝いに行ってしまった。そういえば私、この船を導くとか大きいこと言っておいてなんにも貢献してなくね?
「ん〜〜〜〜〜…くはっ。あーー寝た…ん?……おいおいいくら気候がいいからって全員ダラけすぎたぜ?ちゃんと進路はとれてんだろうな。」
多分ここの誰もが突っ込んだだろう。やっと起きてきたかゾロ。ただ、一声がまずかったな。この船の裏番がキレてるよ…それも知らずに二人組に話しかけてるし。
「…………何でお前らがこの船に?」
「「おそーーーっ!!!」」
二人組が突っ込むほどの鈍感さ。まぁ寝てたんだからしょうがないのだろうけども。
「今そいつらの町へ向かってるんだ。」
「まさか送ってやってんのか?何の義理があるわけでもなし。」
「うんねェよ。」
「おーおー悪ィこと考えてる顔だ…名前…何つったかなお前ら…!!」
「ミ…Mr.9と申します。」
「Ms.ウェンズデーと申します………」
二人ともゾロの質問に冷や汗を垂らしながら答えた。確かに名前がコードネームになってて本名教えてくれないよね。
「そう…どうもその名を初めて聞いたときからひっかかってんだ、おれは。どこかで聞いたことある様な…ない様な…!!まァいずれにし…ろ!!」
後ろからめちゃくちゃ怒ったナミが渾身のゲンコツをゾロに食らわした。
「…あんた、今までよくものんびりと寝てたわね。起こしても起こしてもグーグーと…!!」
「あァ!?」
ゾロもいきなり殴られたのでちょっと怒ったのかナミに対して睨みを利かしていたが…
ゴンッ!!!
「気を抜かないでみんな!!まだまだ何が起こるかわからない!!!」