第1章 トリップのはじまり
気づいたらシャンクスが目の前に立っていた。ほ、本物!?でかい!!…まって、いくら何でもデカすぎじゃない!?全長何メートルよ!?
「お頭、このガキ、迷子なんじゃないっすか?」
「遭難か何かか…なぁ、お嬢ちゃんはどこから来たんだ?」
ガキ…お嬢ちゃん…?え、私もう18才なんだけど、そんな呼ばれるほど幼くないはず…
「えっと…これは夢?」
「………………どっか頭でも打ったのか?よっと。」
「わあ!!!」
ヒョイッと体が浮き上がる。抱っこされた…シャンクスに!そのまま抱きかかえられて船へ乗せられる。
「お前、運が良いやつだなぁ。これから俺達の拠点の村へ行くところだったんだ。そこまで乗せてやるぜ!」
ニカッと笑って言うシャンクス。笑顔が眩しい…そうか、村まで連れてってくれるのか…今まだ混乱してるけど、少なくとも無人島よりはいいよね。ありがとう…と言ったところで、ぐぅぅぅぅぅ、と盛大に鳴った。私のお腹が。恥ずかしい…
「よし、飯にすっか!海の上で食べる飯は格別だぞぉ!」
スミマセン…
目の前に広がる海の幸。キラキラ光っていて、今なら嫌いな魚も食べれそう。男どもの飯争奪戦に参加できないのを気遣ってか、船員の誰かが私の分だけよそってくれた。ところで、席についたときから疑問に思ってたんだが…シャンクス達って巨人族じゃなかったはずだよね?なぜこんなにテーブルやイスが大きいんでしょう?
「おう!食べてるか、メシ!」
カニを食べていたとき、ほろ酔い状態のシャンクスが話しかけていた。うわ、酒臭っ!どんだけ酒飲んだんだ。
「分かんないことあったら何でも言ってくれよ?」
じゃあ、とカニを呑み込んでからずっと疑問に思ってたことを聞く。
「あの、シャンクスさん達って巨人族じゃないですよね?何故こんな大きなテーブルやイスを使ってるんですか?」
「は?おめぇそれ、おめぇが小さいだけだろ。おかしなやつだな!」