第18章 歓迎の町ウイスキーピーク
「…これはさっきの2人組が船に落としていったものみたい。」
「あいつらが?」
ナミにログポースを渡す。初めて見るので、マジマジとログポースの中の指針をじっくり眺めていた。
「…これがログポース。何の字盤もない…」
「字盤なんて必要ないからね。グランドラインの島々は全部、決まった法則によって磁気を帯びてる。つまり、島と島とが引き合う磁気をこのログポースに記憶させて次の島への進路を導いてくれるの。」
「そうだ。まともに己の位置すらつかめないこの海では、『記録指針』(ログポース)の示す磁気の記録のみが頼りになる。始めはこの山から出る7本の磁気より1本を選べるが、その磁気はたとえどこの島からスタートしようともやがて引き合い…1本の航路に結びつくのだ。そして最後にたどり着く島の名は…」
「………ラフテル。」
「あぁ、そうだ。“偉大なる航路”(グランドライン)の最終地点であり、歴史上にもその島を確認したのは海賊王の一団だけだ。伝説の島なのだ。」
そこにクロッカスさんは行ったんだよね。凄いなぁ。…てことは結構お強かったりしたのかな。
「じゃ…そこにあんのか!?“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”は!!!」
「さあな。その説が最も有力だが、誰もそこにたどり着けずにいる。」
「そんなもん、行ってみりゃ分かるさ!!!」
ルフィは嬉しそうにそう言った。ルフィは本当に海賊王になれるのだろうか。いや、なってもらわなきゃ困るんだけどさ。私が導くって言ったからにはそれなりにやらなきゃいけないんだろうなぁ。
「さー行くかっ!!メシも食ったし。」
「お前1人で食ったのかっ!!」
「うおっ!!骨までねぇし!!!」
みんなクロッカスさんの話で気づかなかったんだろうな。ずっとルフィはエレファント・ホンマグロ食べてたよ。
「『記録指針(ログポース)』か……!!大切にしなきゃ…これが後悔の命運をにぎるんだわ。」
ナミが私が渡したログポースの腕に装着した。いやそれ2人組のログポースなんだけど…
「おのれクソゴム!!!おれはナミさんたちにもっと!!ナミさんたちにもっと、食ってほしかったんだぞコラァ!!!」
「……っうわ!!!」
サンジが蹴り目の前をルフィがすごい勢いで飛んでいった。うわ怖〜、サンジの蹴りを受けたらひとたまりもないよね。…って、ナミどうしたんだろ固まって……