第18章 歓迎の町ウイスキーピーク
「んん!!!よいよ!!!これがおれとお前の“戦いの約束”だっ!!!おれ達がまたここへは帰ってくる時まで、頭ぶつけてそのマークを消したりすんじゃねぇぞ!!」
ブオ
「よし!」
「…………ありがと、ルフィ。」
「んん?おれがしたくてしたことだからお礼言わなくてもいいぞ?」
「…………うん。」
しかしルフィも考えるね。約束をして待つ意味をもたせてあげるだけじゃなくて、頭の傷をこれ以上酷くならないようにマークを塗ってあげるなんて。これでラブーンはもう大丈夫だ。でもさ、もうちょっとどっちも傷つかない方法はなかったんかいね。その時、
「あーーーーーっ!!!」
「………ひゃぁっ!!」
ナミの叫び声が響いた。あまりにも突然でびっくりしたので、危うくそばにあるペンキを蹴っ飛ばすところだったわ。
「何だよお前、うるせーなーーーっ。」
「何事っすかナミさん!!お食事の用意ならできました♡」
「はーーー、船の修理ちょっと休憩。メシか?」
ナミの叫び声を聞きつけてゾロ以外のみんなが集まってきた。ゾロはきっと船で寝ているのだろう。
「羅針儀(コンパス)が…!!!壊れちゃった…!!!方角を示さない!!!」
ナミの手元を見ると、持参であるコンパスの針が確かにグルグルと回って方角を示さなくなっていた。そろそろ説明した方がいいな、これは。
「あ、ナミ。このコンパスは別に壊れてるわけじゃないよ。さっきクロッカスさんが言ってたじゃん、この海では一切の常識が通用しないって。」
「…じゃあまさか磁場が!?」
「うん。グランドラインにある島々が鉱物を多く含んでいるせいで、全域に磁気異常が起きるみたい。しかもこの海の海流とか風には一定性がないから…」
「方角を確認する術がなきゃ絶望的だわ。」
「そういうこと。」
私の説明で伝わったのだろうか。クロッカスさんが何も言わないから間違ってるわけではないと思うけど。