第2章 無色透明な石
「なまえ。」
ちょっと離れたところでベックマンさんが手招いていた。なんだろう、ルフィは泣いてるから気づかないか、そう思い駆け足でよっていく。
「これを。」
そういって渡されたのは……無色透明な石だった。ネックレス状になっていて、首にかけられそうだ。
「これは?」
「お頭からお前にと。異世界人が代々引き継いでいた石らしい。」
「…異世界人が?」
「今は無色透明だが、覚醒すると“色”がつくらしい。お前の色だ、大切に持っておけよ。」
「……あ、ありがとう。」
「じゃあな、元気で。」
優しく微笑んでくれたベックマンさん。シャンクスみたいに対して異世界人のことをしらないはずなのに、これは多分シャンクスから渡せって言われたものなんだろう。
「ベックマンさん!!気をつけてね!!」
そういった私に、背を向けながらも手を降ってくれた。あー、かっこいいなぁ。
「錨を上げろぉ!!帆をはれ!!出発だ!!」
ルフィは麦わら帽子を、私は無色透明な石を胸にシャンクス達を見送った。10年後、ルフィはきっと海賊になる。そっからの話がワンピースのメインなんだから。それまで私はここにいれるのだろうか。