第17章 約束
「ちょっと待て、ここまで近づくとただの壁だ!!!まず目はどこだよ!!」
「そっか、向こうが私達に気づいているとは限らない。」
「でもこのままじゃぶつかるぜ!!左へ抜けられる、取り舵だぁ!!!」
「舵折れてるよ!!!」
「何とかしろよ、おれも手伝う!!!」
「そうだ、いいこと考えた!!!」
慌てて男達が舵を引っ張ったりしているが、ルフィだけ何故か違うとこへ行ってしまった。
「何すんのルフィ!!?」
こいつがいいこと思いついた、なんて言ってもいいことではない可能性のほうが高いんだよなぁ…船内に入ったルフィは一体何をしてくれるのだろうか。なんにしてももう時間がない、クジラにぶつかってしまう。これ、水の力でぶつかる勢いを殺せないか。
「だめだ曲がらないっ!!!」
舵を引っ張ってたみんながそう言った。これじゃ船が大破してしまうし…なんて呑気にやってる場合じゃないわ。両手をクジラに向かってかざして……
ドウン!!!
「えっ!!」
ガクン、とした衝撃で私はバランスを崩して船から落ちて…なんて、体は船から出てしまったがしっかり手で船を掴んで落ちないようにした。ここで落ちたら多分海流にのまれて死ぬ。きっとルフィは大砲を打ったんだろう。どっちにしろ危険なのは変わりない。誰か私に気づいてくれないかな…
「に…逃げろ今の内だぁ!!!」
「何だ一体どうなったんだ!!?砲撃に気づいてねぇのか!!?それともトロいだけか!!」
「知るか、とにかく今の内だ!!!」
ん?船首がない…さっきの衝撃でちょっと速度は下がったけど、船首だけクジラに当たって折れちゃったんだな。
ブオオオオオオオオ!!!
う……うぅ…耳が痛い…両手を船につけてるから耳をふさげないしこれは地獄だわ。ヤバイ死にそう。