第16章 進水式と私の覚悟
えー、そりゃ入るに決まってるでしょ〜。ウソップは怯えて何か言ってたが、サンジが大きな樽を甲板に運んできた。
「何するの?」
「偉大なる海に船を浮かべる進水式!やろうかなって思って。どう?」
「進水式…いいね、みんなの聞きたい!」
みんなが甲板に集まってきた。怯えながらも集まるウソップは本当に勇敢だと思うよ。渋々だとしてもね。まずは言い出しっぺのサンジから順番に片足を樽の上に乗せていった。
「おれはオールブルーを見つけるために。」
「おれは海賊王!!!」
「おれぁ大剣豪に。」
「私は世界地図を描くため!!」
「お…お…おれは勇敢なる海の戦士になるためだ!!!」
5人分揃った。こうやってみんなの目標をキチンと聞くなんてことなかったから、改めて私はみんなが羨ましくなった。私は特に対して目標はない。盃を交したときも思ったけど、ここで叶えたい夢なんて私には一切必要ないのだ。だってここでは夢ってことになるんだろうから、やっぱり自分がそれなりに楽しかったらいいかなっていう適当さでここまで来ちゃってるし…
「おいなまえ!何やってんだよ早く来いよ!!」
ルフィの声でハッ、とする。進水式を終えて樽に足を乗せてるみんなが私を見ていた。いやいやそう見られたって…私には夢は…
「叶えたい夢とかじゃなくていいんだ!難しく考えるなよ!」
「じ、自分はこうありたいってことでもいいんだぞなまえ!」
「そうよ、目標じゃなくたっていいじゃない。宣言することに意味があるのよ。」
「なまえちゃん、みんなの聞きたいって言ってたじゃないか。」
「まさか聞き逃げじゃねぇよな。」
「なまえ!!次はお前の番だぞ!」