第16章 進水式と私の覚悟
「そうでもなさそうだが…!?」
「!!!?……てめぇは………!!!」
スモーカーが驚くぐらいの人だ、絶対私も知ってるはずなのにフードを深く被ってるせいで顔が見えなかった。
「政府はてめぇの首を欲しがってるぜ。」
「世界は我々の答えを待っている…!!!」
誰なのか一生懸命に目を凝らして見ていたとき、大きな突風が怒った。
ドゴォン!!!
「ルフィ走れ!!!島に閉じ込められるぞ!!!バカでけぇ嵐だ!!!グズグズすんな!!!」
ゾロが突風の方向からほぼ飛びかけながら走ってきた。ルフィも飛んだが多分海軍含めて一番飛んだのは私だと思う。
「なまえちゃん、失礼。ナミさんか言ってたのはこういうことか〜〜〜〜っ!!!」
飛んでたところをサンジに拾われた。申し訳ない、本当にこれはわざとじゃないんですわ。正直拾ってくれなかったら何処までも飛んでいったんじゃないかと思う。
「フフ……行ってこい!!!それがお前のやり方ならな!!!そいつを十分に従え、世界を取るんだ!!」
……誰のことを言ってるのかな。ルフィ?お前のことは多分ルフィだろうけど、そいつって誰や。あー、本当にここすごく気になる誰なんだっけ!?
「ルフィ!!!」
ウソップの大声で気づいた。もうメリー号にまで走り抜けてたんだね。
「急げ急げ!!!ロープが持たねぇ。」
「ナミさんただいまー!!!」
「くず!!!早く乗って!!!船出すわよ!!!」
ナミの号令でほぼルフィ達が乗り込んだと同時にロープが切れて船出をした。危なかったぁ…
「大丈夫だったかい、なまえちゃん。ごめんね急に抱っこしちゃって。」
「うん大丈夫!ありがと、抱っこしてくれなかったら多分私すごく飛んでたと思うから!」
「そうか、そう言ってもらえると嬉しいぜ。」
ここまで運んでくれたのだから、お礼を言うのは私なのに。サンジってば、本当に優しいんだから。
「うっひゃー?船がひっくり返りそうだ!!!」
大嵐である。今までにこんなにひどい嵐を見たことなかったからなんかすごく怖かった。
「あの光見て。」
「島の灯台か。」
「“導きの灯”。あの光の先に“偉大なる航路”(グランドライン)の入口がある。どうする?」