第16章 進水式と私の覚悟
戦い始めたゾロを見て怒り始めたサンジ。止まろうとしたサンジを無理やり引っ張るルフィはさすがサンジの扱い方を知ってるな、なんて。それより…
「…ルフィ、」
「大丈夫だろ、ゾロなら。」
「いやうん……そうじゃなくて、ゾロ……船まで追ってこれるのかな。」
「…………………あ。」
いやいや、あ、じゃなくて。…………あれ、
「…ルフィ、前…誰かいる!」
「………あ、またか。」
「来たな、麦わらのルフィ。」
「お前誰だ!!」
あのモクモクした悪魔の実を食べたのって…
「………“白猟のスモーカー”…海軍本部大佐だよ。」
「海軍本部!?」
「……よく知ってるな。じゃあ挨拶はいらねぇな。お前を海へは行かせねぇ!!!」
「うわっ!何だ何だ何だ!!?」
「うわぁ!!」
彼はいきなりそう叫ぶと、ルフィをモクモクの力で捕まえた。もちろんおぶられてた私は飛ばされたわけだが。
「てめぇ…このバケモノがぁ!!!」
サンジはルフィが捕まったのを見るとスモーカー直接に攻撃を仕掛けようと走り出した。
「サンジ!!スモーカーは“モクモクの実”の能力者!!打撃攻撃は“自然系(ロギア)”にはきがないよ!!」
「え、……い!!?」
「ザコに用はねぇ。“ホワイト・ブロー”!!!」
私の声に一端蹴りが止まってしまったのが悪かったみたい。スモーカーがサンジの蹴りの足を捕まえてビルへと投げた。
「サンジ!!!んニャロ…“ゴムゴムの銃(ピストル)”!!!」
ルフィはゴムゴムの能力でスモーカーに攻撃をするが、ロギア系なので効くはずもない。ルフィの腕は虚しく空を切った。
「お前が三千万ベリーだと!?」
スモーカーは素早くルフィの後ろへと周り、頭を掴んで地面へと屈服させてしまった。え、これヤバイやつ?助けこないやつ?あ、でもゾロが来てくれ…見えねぇ。どうしよう。私の攻撃も効かないから何もしょうもない。
「フン、悪運尽きたな。」
背中にある十手へ手を伸ばす…がその手は誰かの手によって押さえつけられてしまった。