第16章 進水式と私の覚悟
「…………あ、待って。やっぱりこれ一着頂戴。サイズはMね。」
「……!!毎度ありがとうございます!!」
試着済みの服の山から肩出しの水色の膝上長さのワンピースを引っ張りだした。
「なに?やっぱり気に入ったのあったんじゃない。」
「違うわよ。あんたのよ、これ。」
「…………え!?」
今なんて?こんなの私が着るの?いや確かにナミにしては大人しめの服選んだなって思うよ?でも私にとってはこれは可愛すぎるというか…
「……むむむ、無理無理!!こんな短いの履けないよナミ!!」
「何言ってるの、こんなの短いうちに入らないわよ。」
「見えちゃうよ!!」
「見せたらいいじゃない。」
ななな、何言ってんだコイツ!!あ、コイツって言っちゃったごめん!えー、だってこれ…パリピの人が着るようなやつだし、どっちかというとデート服的な…あー、会計済ましちゃったし……
「もーーー……ナミ〜〜…」
「なによ、あんたも諦めが悪いわね〜。細いんだから足や腕見せたほうが栄えるのよ!あんたは普段からスボンばっか履きすぎ!次のところからスカートどんどん増やしていくわよ!」
「マジかよ……」
「あーー!これ可愛い!これも!あ、これも!なまえ、ちゃんと持ってなさいよ!」
どんどん私の両腕に積み上げられていく服たち。ナミが気に入った服がいっぱいあったみたい。どさくさに紛れて私の服もあるの知ってんぞ、私には選ぶ権利もないのかね?
「ふー、おばさん、ここに置かしてね。」
私の持ってた服を全部持ってレジへと持ってったナミ。え、やっぱりこれ全部買うの?すげぇ。
「何やってんよ、あんたも好きなの選びなさい!」
「え?でもナミ、私お金持ってないし…」
実はまだへそくり残ってるんだけどね…5960万ベリーくらい。でもこれはナミには内緒にしてるし、もし本当に困ったときに出そうとおもってるお金だから。
「服代くらい私が払うわよ。」
「でもさっきゾロに利子つけてたから…」
「バカねー、女の子なんだから服は命なの!ちょっと高くても好きなの着ないと意味ないでしょ!分かったらとっとと選ぶ!」
……つまり、自分の好きなものにはお金を惜しまないってことね。まぁ確かにゾロに貸したお金も全部ナミの盗んだお金だから何も言えないんだけどさ。