第16章 進水式と私の覚悟
「なっはっはっは!!おれ達は“お尋ね者”になったぞ!!三千万ベリーだってよ!!」
「うわー…懸賞金アベレージ三百万のこの“東の海(イーストブルー)”で、異例の三千万…こりゃめっちゃ狙われるよルフィ?いい笑顔だけども。」
「なーに言ってんだなまえ!!もっと喜べよ!!これでおれが強くなったってことがわかるんだからよ!!ほらほら!!」
ルフィが手配書をグイグイと見せつけながら私にハイタッチを求めてきた。そりゃね、あんな弱かったルフィが?ここまで強くなったら認めざるを得ないけどさ…見てよナミを…ブツブツとさっきからなんか言ってるし。…まぁ、ハイタッチには答えますがね。
「いよっし!!はりきって“偉大なる航路(グランドライン)”行くぞ!!ヤローども!!」
「「うおーーーっ!!」」
…あらら、サンジはウソップと肩を組んで気合を入れてるし。こうやって見ると、いつもは大人っぽく見えるサンジもそんな対して変わらないんだなって思えてくるよね。
「……ナミ、ルフィの言うことも一理あると思う。早く“偉大なる航路(グランドライン)”へいかないと…」
「…そうね、“東の海(イーストブルー)”でのんびりやってる場合じゃないわね。」
ナミも私の言葉を聞いて深刻な顔をし始める。ここにいちゃ高額な懸賞金額を付けられたルフィが一番狙われてしまう。グランドラインに入ればルフィより懸賞金が高い奴らがわんさかいるからそれなりに紛れられるからね。
「おい、なんか島が見えるぞ?」
ゾロの声でみんな船の外を見る。遠くに島が見えた。あれは…
「見えたか…あの島が見えたってことは、いよいよ“偉大なる航路(グランドライン)”に近付いてきたってこと!あそこには有名な町があるの。『ローグタウン』、別名“始まりと終わりの町”。かつての海賊王G(ゴールド)・ロジャーが生まれ…そして処刑された町。」
「海賊王が死んだ町……!!」
「行く?」
ナミの問いに当たり前のように頷いたルフィ。ゴールド・ロジャーね〜。ルフィ、あんたのその麦わら帽子ってロジャーのものだってこと知ってる?それを知ったら凄く繋がりを感じるよね。