第2章 無色透明な石
「どの道賞金首だろう。」
「ちっ、来いガキ!!」
「うわっ!!くそ!!離せ、離せぇ!!」
煙幕弾を打ち込み、すぐ近くにいたルフィがヤマザルに引っ張られたのが分かった。なんせ、ルフィを掴んでたしね。でも、引っ張り返す力なんてなかったし、そろそろ腕が疲れてきていてプルプルしてたしでルフィを簡単に離してしまった。
「ルフィ!!し!し!しまった!!油断してた!!ルフィが!!どうしようみんな!!」
「うろたえんじゃねぇ!!お頭この野郎!!みんなで探しゃあすぐ見つかる!!」
さっきまでカッコよかったのに、直ぐ狼狽える。シャンクスって人はよく分からない。でも、この男は偉大だっていうのは分かった。それはルフィも分かったことだろう。そろそろ気絶してもいいっすかね。もう頭重たいし眠いんですわ。そっと目を閉じ……始めたときに
「そうだなまえ!!お前なんでそんな!!」
シャンクスが駆け寄ってくる音がした。でも無視していいだろうか、後でルフィが説明してくれるだろうし。じゃあおやすみ〜
起きるとここはいつものマキノさんのお店のベットだった。すぐそばにはルフィがいて、私が起きたのを知ると嬉しそうに笑った。
「!なまえ!起きたのか!もう大丈夫か?」
「……どのくらい寝てた?」
「えっと、5時間くらいだ!」
「そっか……」
「シャンクス達のところに行こう!」
「……え?」
どうやら説明を聞くと、シャンクス達は最後に食料などを手に入れるためだけにここを寄ったのだそうだ。だからすぐ出航するらしく、別れの挨拶の為にルフィは私を待っててくれたのだ。
「……ちょっとフラフラするけど大丈夫、行こっか。」
「…おう!!」
ルフィは少しだけ大人になったようだ。何があったかは覚えてないが、家に帰ったら思い出すことだろう。私のゆっくりなスピードにあわせてルフィも歩いてくれた。そうこうしているうちに、港についたらしい。シャンクス達が見えてきた。
「シャンクスーー!!!」
ルフィがシャンクスに呼びかける。シャンクスは自然な流れで左腕をマントで隠し、こっちへ歩いてきた。