第14章 ナミの涙
ゴゴゴゴゴ………
なんか揺れてる?私、津波を起こしたいだけなんだけどな。やっぱりまだ開花しきってないのかな。でもなんか船の中は大変そうだ。舵が効かないとかなんとか。今なら船の中に入って宝を取り戻せるかな?大きな袋はないけど…あ、みかんが大量に入ってる籠!あれならいけるかも。ノジコ、ごめん、籠の中のみかん全部出すよ。で、こっから問題よ。どうやって船まで行くか。泳いでいってもいいけど、戻るとき紙幣が濡れちゃうし…やっぱ波で岸まで流されてくれないかな。もう一回海に手を突っ込んで今度は自分側にくいっ、と引っ張ってみる。すると…来た、船が。いい感じ、これなら船の中に侵入できそう。ガコンっ、と大きく船が揺れた。どうやらさっきの揺れでどっかが損傷したらしい。みんな下の方に行って手薄になった。
「よし、行ける!」
ダッ、と船をよじ登って侵入成功。お金外に出してたのか、見つける手間が省けていいわ。箱に入ってる大金をぽいぽいと背負ってる籠に入れていく。
「誰だ貴様ぁ!!!」
「あ、しまった…」
あとちょっとで全部入れ終わるところで海軍が何人か戻ってきちゃった。
「もうちょっと待って!」
バックから短剣を何個か取り出して身動きを取れなくする。ぽいぽいっ、と入れてこれで全部。あの短剣は結構大事だけど、2つ犠牲になったけど、命は変えられない。あげるわ、それ。船の上からジャンプして脱出する。
「金を取っていったぞ!!撃て!!ガキだからって容赦はするな!!」
ネズミにも見つかったか…こりゃヤバイ。思いっきり海で腕を降ってやった。するとどうだ、波が海岸側から発生して大きな津波が出来た。さっきはちょっと手加減し過ぎたのかな?船が大きく揺れ、反対方向へと流されていく。おまけに大きな波なので避けなければ多分飲み込まれるだろう。そんなの知らん、あいつが悪い。どうなったかは見てないけど、とりあえず村へ走った。もちろんお金は蓋をして隠して。
「ルフィ〜………っ、」
村に入ったところでルフィが見えたので、大きな声を出して呼ぼうとしたけど、踏みとどまった。だって、肩を血だらけにしながら自分の肩を刺していたナミの手を止めていたところだったから。なんで私はこうタイミング悪いときにくるんだろうな。