第13章 4人目
そして地面に叩きつけるように投げた。生き物は生まれながらに平等じゃねぇ?確かにそうだけど、生きる権利はあるはずだ。それはもちろん誰かに何か対価を払う必要もなくね。アーロンの行為に腹を立てた村の人は握りこぶしを向けるが…
「やめろ!!!」
ゲンさんの言葉に手を引っ込める。
「絶対に手を出すな!!!」
「……だ、そうだが?」
「別に武器を使ったわけでもないじゃないか!!!」
「やめてくれ!!!」
村の人たちはアーロンに反論をし始めた。講義しても聞き入れちゃくれないやつだと思うけども。
「うるせぇなぁ、おい。そりゃ反乱かよ…」
それを手で精一杯制するゲンさん。
「死んでしまっては全てが終わる!!!私が死んでも戦うことをやめるな…!!!」
村の人たちが静かになったのを見届けたアーロンは、倒れてたゲンさんの体を持ち上げると、もう一度地面に叩きつけるような体制をとった。
「かけらでも邪念を抱いたやつがどうなるか、よく見ておけ人間どもっ!!!」
……これはやばいかもしれない。ゲンさんが死んでしまう。ゲンさんはナミのベルメールさんの次の育ての親である。死なせてしまうわけにはいかない。