第13章 4人目
「これが見せしめだ!!!」
思いっきり地面に叩きつけようと大きく振りかぶったアーロンを見て、私はナイフを投げようと構える。……が
「“火薬星”!!!!」
アーロンの体がいきなり爆発した。ゲンさんは投げられることはなく、そのままアーロンの手から離れ地面に転がった。私はそっ、とナイフをしまう。
「な…何事だ!!!アーロンさん!!?」
「………見ろ!!あそこだ!!!」
「屋根の上に誰かいるぞ!!!」
「てめぇ何者だ!!!」
何者だ、と言われたら答えてやるが夜の情け…ってね。随分かっこいい登場だね、ウソップよ。
「おれの名は勇敢なる海の戦士!!!キャプテ〜〜〜〜ン・ウソップ!!!」
…いや、お世辞でもかっこいいとは言えないかも。登場の仕方はよかったけどさ、足ががくっがくブルッブルなんだもん。
「世界はおれを恐れ魔界から来た男“ウソップ大魔王”と呼ぶ!!今逃げ出せば許してやろう!!おれには八千人の部下がいる!!!」
お前の部下は三人だろ。そんなこと言ってる間に逃げたほうがいいと思うんだけどもなぁ。
「アーロンさんあいつだ!!さっき取り逃がしちまった奴だ!!」
ほらほら、雲域が怪しくなってきたぞ。
「何万人でも連れてきてみろ。一人残らず捻り潰してやる…!!!たかが人間が……!!!下等な人間が!!!おれに何をしたぁ!!!!」
ウソップが乗っていた家を持ち上げた。なんていう威力なの!確かに魚人って人間の倍のちからを持ってるっていうけど、こんなに差が出るもん!?
「アーロンさんちょっと待て!!また村を消しちまう気か!?」
「人間の集落なんざ潰すのは簡単だが、おれ達の目的は支配だ!!」
「ゴサみてぇにまた“奉具”の取り口が減っちまうぞ!!!」
「減りゃあまた増やすまでだ!!!おれ達は“至高の種族”だぞ!!!」
ドゴォン!!!
「!!ウソップ!!!!」
持ち上がった家をそのまま隣の家にぶつけた。家は破壊され、モクモクと煙を出す。ウソップの安否が確認できず、ちょっと焦ってくる。
「まだ生きてるぞ!!」
「追え!!!逃がすな!!!」