第13章 4人目
バラティエを出てからどのくらいたったのだろうか、あれからナミはお宝の集計を始めて私と話してくれなくなってしまった。私も私でボー、とっナミの集計を見てることしかできなくて。ほら、私って結構ヘタレだからさ。なんてやってるとココヤシ村についてしまって。
「…ついてくるんじゃないわよ……後、私はもうあんた達のところには戻らないつもりだから船は返すわ。だから、早くこの村を出ること。いい?じゃあね。」
と、あっさりと別れの言葉を言って村へ消えていってしまった。…ついてくるなって言われても、私はナミについていくしかないよ。私に航海術はないからバラティエに帰ることはできないし、アーロンが怖いからここに留まっておくのもやだし…何より、このままナミを見捨てていくなんてことはできない。ナミがもう行ってしまったことを確認して錨をおろして船を固定する。すんごく重かった。ナミの家のみかん畑を通過して町を通過して…アーロンパークが見えた瞬間…
「おい!!お前っ!!そこどけよ!!アーロンを殺してやる!!おれの父ちゃんが殺されたんだ!!!」
子供の声が聞こえて咄嗟に近くの木に隠れる。…男の子が剣をナミに向けていた。ナミはそれに動じることなく冷たい目で泣いてる男の子を見下ろしていた。
「本気だ!!!」
そして…
バキッ!!!
「うあ……!!」
ナミは棒で男の子を殴った。結構強かったらしく、男の子は派手に飛んだ。さらにナミは追い打ちをかけ、何度か棒で殴る。
「アーロンはあんたみたいなガキに付き合うほどヒマじゃないのよ!!!…わかったら帰んなさい。お金をあげるわ。せいぜいこれで自分の身でも守るのね。」
札束を男の子の横に投げ捨てる。…こんな男の子に容赦なく殴り飛ばすなんて、なんて酷いことを…でも、ナミはそんな残酷な人じゃないはずだし何か思うことがあっての行動だと私は信じるよ。
「…ちきしょう…!!」
とりあえず、あの子の手当をしてあげよう。
「……大丈夫?」
「…はっ、さっきのやつの仲間か…!?」
そっ、と近づいたつもりだったが驚かせてしまったようだ。血がダラダラながらも私に剣の先を向けた。