第13章 4人目
ベルメールさん。なんか聞いたことあるぞ。ナミの育ての親じゃなかったっけ?…うん、そうだった。橋の下に落ちてたっていうナミを拾った元海軍のベルメールさん。でもアーロンに殺されちゃって、ナミは今アーロン一味で測量士をやってるんだよね。それで、大事な村がアーロンの支配化になっちゃったんだけど、それを村ごと買うのに1億ベリー必要だから海賊専門の泥棒ってのになったんだっけね。
さて、こっからが問題です。とりあえず物語を思い出すためにナミについてきちゃったけども、アーロンに立ち向かうには無謀すぎるし今のナミに説得しても上手くいかない気がする。交渉は…できるかな?いや、まだ出ないほうが…
ガコン!!……カラカラ……
「………っちゃ〜…私のバカ……」
「………っ、誰!!?」
影でそっ、と覗いてた私は下まで注意が行き届かなかったらしく樽に当たってしまったみたい。樽の上にあった小さいバケツが転がって、その音でナミが涙を拭いてこっちに勢い良く振り向いた。何も考えてないぞ私。でもこれは無理に姿を隠すなんてことしない方がいいと判断した私は潔く姿を表すことにした。
「あ、あはは…ごめんナミ、私…」
「…………なまえ……なんでついてきたのよ。」
少しホッ、とした顔を見せたのも束の間、すぐに険しい顔になって私を睨んできた。
「…事情は知らないけど…ナミの様子が変だったから……ウソップに伝言を頼んでついてきちゃったの…ここで降りろなんて言わないでしょ?」
「………どこに向かってるか分かってるの?」
「……アーロン?のとこでしょ。手配書握ってたの見てたから、なんとなーくそこかな、なんて…」
全てわかってますよ、なんていうと怪しまれるでしょ。ある程度のところまでネタバレしないようにしとく。ナミは頭の回転が早いからね、私なんかじゃすぐバレちゃいそうだけど。
「…アーロンのとこって分かっててなんでついてきてんのよ。死ぬかもしれないのよ?」
「大丈夫!私は…多分死なないと思うんだよね〜」
「…………はぁ、勝手にしなさい。私は島についたらあんたにいっさい関与しないからね。」
「了解!」
おぉ、なんとかなるもんだな。ナミにお許しを貰って、堂々とこの船に乗ってることができたぞ。