第13章 4人目
「…面白え……少し見てくる。」
「!ちょ…ゾロ!」
「ま、待て待て待て!!お前が行くと戦わなくていい戦いも始まっちまうだろうが!!」
歩き出したゾロに掴みかかるウソップだったが、止まる様子を見せないゾロに引きずられる様にして店内へ消えていった。
「あーあ、行っちゃった。」
「…あんたも行ってくればいいじゃない。ルフィもいるし、やられやしないわよ。」
「……?なんで私だけ。ナミも一緒に行こうよ。」
「私は海賊達があの店へ入ったときにお宝を盗む役目があるもの。無理よ。ほら、いってらっしゃい。」
「…………はぁ〜い。」
ナミに押される様にして店内へ入るが、ナミのスカートのポケットからアーロンの手配書が出てたのを見てしまっている。この後どうなるんだっけなぁ…あぁ、今更ながら漫画を持ってくればよかったなぁ。なんて、あんないっぱい持ち歩けないんだけどさ。
「……なんだ?どうした。」
ボーッ、としてたらどうやら入り口付近でつったってたらしい私にウソップが声をかけてきた。よし、私はナミのところに戻ろう。どうせ戦闘するんだろうし私がいても邪魔になるだけだ。
「ウソップ!ルフィに言っといて、しばらく別行動するって!」
「ちょ……お、おい!!」
ウソップの声を無視してUターンをする。ナミは何をするのでもなく海を眺めていた。今のうちに反対側から船の中に忍び込む…っていうか、私の船でもあるしね一応。船の中でいくつか用意してもらっている本でも読みますか。
グラっ、と船が傾く。本を半分ほど読み終えた頃に変化が起こった。ナミが船を出したのか、はたまた敵戦か。小窓から慌てて外を除くと、あのクリークの船が真っ二つに割れてるのが見えた。それもまぁ綺麗に。しかも、船も動いてるらしい。ナミが船を出したのも合ってたみたいだ。…………何かナミが話してる。ちょっと悪いが、耳を澄まさせてもらうよ。
「いー奴らだったなぁ………今度あったらまた仲間に入れてくれるかな………また逢えるかなぁ………!!!……………はやく自由になりたいよ、ベルメールさん………!!!」