第12章 ヨサクとジョニー
「お前すげーな、医者みてぇだよ。」
「おれはよ、お前はやる女だと思ってたよ。」
「船旅するならこれくらい知ってろ!!あんたたちほんといつか死ぬわよ!!」
みんな関心していた。それは私も例外ではないが。ウソップはなんか自分の手柄みたいな言い方してるし。
「栄養全開復活だーっ!!!」
「おお、やったぜ相棒ーーっ!!!」
「そんなに早く治るかっ!!!」
飛び起きて喜ぶヨサクに、それを見て喜ぶジョニー。いやいや、回復するのは早すぎでしょ。絶対勘違いでしょ。
「申し遅れました、おれの名はジョニー!!」
「あっしはヨサク!!ゾロのアニキとはかつての賞金稼ぎの同志!!どうぞお見知りおきを!!あんた方には何とお礼を言ったらいいのやら。さすがにあっしぁもうダメかと思ってやした。」
「しかし改めて驚いた。“海賊狩りのゾロ”がまさか海賊になってようとは。」
「ブヘェッ………!!!」
「ぬあっ!!?相棒ォーー!!!」
ヨサクがいきなり血反吐を吐いて倒れてしまった。ほら、言わんこっちゃない。
「いいから黙って休んでろ!!」
「ジョニー、寝室はこっちだから。ソッと運んで寝かせてあげて。」
ジョニーにヨサクを運ばせ、タオルケットを被せて寝かせる。
「本当にありがたい…何から何まで…」
「そんな…大丈夫だよ。私達は敵同士じゃないんだから、助け合うのは当たり前だよ。」
「うぅ…なんて心優しいお嬢さんだ…」
そこまで感謝されると、逆に居心地悪いんだけどなぁ…ヨサクが寝たのを見てから甲板へ出ると、みんなが話し合っていた。
「これは教訓ね…」
「長い旅にはこんな落とし穴があるってことか。」
「あいつだってこの船に遭わなきゃ死んでた訳だしな。船上の限られた食材で長旅の栄養配分を考えられる“海のコック”。」
「よくよく考えれば必要な[能力]ってわけだ。」
海のコックかぁ…仲間にするならそんなおじさんじゃないといいなぁ。若い人なら大歓迎。…次仲間になる人ってどんな人だっけなぁ。