第12章 ヨサクとジョニー
とりあえず落ち着ける場所にヨサクを休ませたほうがいいと思い、船に乗せたが…ますで死人のように顔は青白く血を吐いて震えているヨサクを見ると少し気分が悪くなってくる。
「病気!?」
「えぇ…数日前まではピンピンしてやがったのに、突然青ざめて気絶を繰り返す…!!原因はまったくわからねぇ。しまいにゃ歯も抜け落ちるわ、古傷が開いて血ぃ吹き出すわでもうおれぁどうしていいかわからねぇもんで、ひとまず岩山で安静を保って休んでた所へ…この船から砲弾が……!!!」
ズガァン、とショックを受ける2人。だからジョニーはここに襲撃してきたのか。納得である。
「「ご…ごめんなさい。」」
「済んだことだ、気にしねぇでくれ…謝ってすむなら警察はいらねぇ。」
ジョニーの後の言葉がささったのだろうか、2人共謝ったのに胸を抑えていた。正直だなぁ。
「“ヨサクとジョニー”っつったらよ、時にはビビる海賊もいるくらいの名になったよ。何年も[賞金稼ぎ]やってきた大切な相棒だぜ…!!!アニキ、こいつ……!!死んじまうのかなぁ…!!」
「バッカじゃないの!!?」
ジョニーが泣いて言ってた言葉に被せるようにナミがそう叫んだ。ちょっとナミ、空気よみなよ…
「何だとナミてめぇ!!」
「あんた、おれの相棒の死を愚弄するとただじゃおかんぞ…」
怒ったゾロと刀を手に取り始めたジョニーの目に怯まないナミは凄いと思う。何を言い出すんだろうか。あまり怒らせるとよくないと思うんだけどな。
「ルフィ!ウソップ!キッチンにライムあったでしょ!?絞って持ってきて!」
「ラ…ラジャーっ!!」
「………ライム?」
ルフィとウソップはすぐさま台所に飛び込んでライム絞った樽を持ってきた。
「…あ、そっか……壊血病……」
「え?なんですかいそれぁ…」
「一昔前までは航海につきものの絶望的な病気だったの。でも、原因はただの植物性の栄養の欠乏。昔の船は保存の効かない新鮮な野菜や果物を載せてなかったから…」
「…壊血病って、手遅れでなきゃ助かる病気…だっよね?」
「そうよ。」
「本当ですか姐さんっ!!」
「その呼び方止めてよ。」
ゾロのことをさっきゾロの兄貴って呼んでたから、そういう人たちなのかな。なんか暴走族の呼び方みたい。見た目もヤンキーっぽいし。