第12章 ヨサクとジョニー
「今の飛行距離からみて…これくらいか…」
ドゴォン…!!
お見事。狙い通り岩に当たり、岩は破壊されてしまった。
「すげーー、当たった一発で!!」
「うげっ!!当たった一発で!!…んナ!?言っただろう?おれは“狙い”に関しちゃすげぇのさ。恐れ入ったらおれをキャプテンと呼んでいいぜ。」
「お前はさ、“狙撃手”に決まりだな!」
ウソップの言葉を上手くかわして…いや、ルフィの場合は聞いてないか、そうやって言った。
「まぁひとまずそこに甘んじといてやるか。お前があんまりフガイねぇことしてたら、即船首交代だからな。」
「あぁ、いいよ。…それで、考えたんだけどな!“偉大なる航路(グランドライン)”に入る前にもう一人必要なポジションがあるんだ。」
「そうよね、立派なキッチンがあるもん。有料なら私やるけど。」
「絶対やらせない。」
「別にいいのよ〜?」
「長旅には不可欠な要員だな。」
「そう思うだろ?やっぱり海賊船にはさ、音楽家だ。」
ズコーーっ、って音が出るくらい皆でずっこけた。いや、なんとなく見当外れなことは言うだろうなって思ってたけど…ナミがキッチンだってヒント言ってたのにそれを無視して音楽家って…
「アホかてめぇっ!!」
「珍しくいいこと言うと思ったらそうきたか!!」
「あんた航海を何だと思ってんの?」
「だって海賊っつったら歌うだろ!?当然みんなで…歌うやつはいるけど、演奏するやつがいねぇと始まらねぇじゃねぇか!」
「……歌うやつ?」
「……………ルフィ、まさかそれって私のこと言ってる?」
「おう!当たり前だ!」
「何、なまえ歌上手いの?」
「上手いぞ!なまえの歌は曲によって力が湧いてくるんだ!」
「へ〜…」