第11章 ゴーイング・メリー号
「いい船だなー!!」
「航海に要りそうなものは全て積んでおきましたから。」
「ありがとう!ふんだりけったりだな!!」
「至れり尽くせりだ、アホ。」
どこからそんな言葉を覚えてくるんだルフィは。その時、崖の上から悲鳴が聞こえてきた。崖をみると、ウソップが大きなリュックを持って転がっていたのだ。大方、荷物が重すぎて坂に耐えられなくなったのだろう。
「うわああああああ!!!止めてくれーーーーっ!!」
「何やってんだあいつ。」
「とりあえず止めとくか。このコースは船に直撃だ。」
船を気にしてくれるのは助かるが、そのウソップの止め方が足って。しかもその足、ウソップの顔面に直撃してるしね。
「…やっぱり海へでるんですね。ウソップさん…」
「あぁ、決心が揺れねぇうちにとっとと行くことにする。止めるなよ。」
「止めません…そんな気がしてたから。」
「それもなんかさみしいな。」
「今度この村に来るときはよ、ウソよりずっとウソみてぇな冒険譚を聞かせてやるよ!!」
「うん。楽しみにしてます。」
「お前らも元気でな。またどっかで会おう。」
「なんで?」
サラッとお別れを言うウソップ。あんたも仲間になるんでしょ。なんで?って聞くルフィが何よりの証拠だ。
「あ?なんでってお前…愛想のねぇ野郎だな…これから同じ海賊やるってんだからそのうち海で会ったり…」
「何言ってんだよ、早く乗れよ。」
「え?」
「おれ達もう仲間だろ。」
ルフィの言葉で初めて気がついたみたいな反応をしたウソップ。もう既にみんなは仲間になってたようだ。ウソップの返事はもちろんオッケーだよね?
「キャ……!!キャプテンはおれだろうな!!!」
「ばかいえ!!おれが船長だ!!!」
ともかく、ウソップを仲間に迎えて麦わら海賊団は5人になった。早いものだ。でも、10人仲間になるって分かってるから、まだまだ半分なのでこれからわくわくする。私、もっともっと強くなって、気絶しないようにしないとなぁ。
「よっしあ!じゃあ…新しい船と仲間に!!乾杯だーっ!!!」
ルフィの音頭で私達はお酒を入れたグラスで乾杯をする。私は麦茶だけどね。そんなこんなでウソップを歓迎し、また海の旅が始まるのであった。