第11章 ゴーイング・メリー号
「あ、ナミ。私はこれとこれとこれ!」
「何で単品にするのよ。1番安い定食にしときなさいよ。」
「いいでしょ、別に。どーせお金は私が払うんだから。」
そう言って丸め込んで定食じゃないものを選ぶ。ナミとゾロは気づいたみたいだ、私が魚が大嫌いだってこと。次々と運ばれてくる料理にどんどん手を出すルフィ。ルフィを追っていたらあっという間に食後になってしまった。
「ふーっ、とれた!」
「バカだな。のどを鍛えねぇから魚の骨なんかひっかかるんだ。」
「何で骨まで食べるの!?馬鹿なの!?」
「そーよ。あんたらに言っとくけどね、フツー魚を食べたらこういう形跡が残るもんなのよ。」
「わっ、それは綺麗過ぎでしょ。」
ナミの手には背骨から繋がってる骨まで綺麗に残っていた。骨は避けるけど、あんな綺麗に食べられないよ。
「メシは食った。そろそろ行くか。」
「そうだな。」
席をたとうとした時、店のドアが空いて誰かが入ってきた。カヤだ。
「ここにいらしたんですね。」
「ようお嬢様っ。」
「寝てなくて平気なの?」
「ええ。ここ一年の私の病気は両親を失った精神的な気落ちが原因だったので……ウソップさんにもずいぶん励まされたし…甘えてばかりいられません。それよりみなさん…船、必要なんですよね!」
「くれるのか!?船っ!!」
カヤに連れられて行った海岸には…それはそれは大きな海賊船が。まぁ黒猫海賊団の船よりかは小さいけど、あんなに人数いないし全然大きい方でしょ。それより羊の船首がとても可愛い、ゴーイング・メリー号である。
「へぇ…」
「キャラヴェル!」
「うおーっ」
「お待ちしておりましたよ。少々古い型ですがこれは私がデザインしました船で、カーヴェル造り三角帆(ラテイーン・スル)使用の船尾中央蛇方式キャラヴェル、“ゴーイング・メリー号”でございます。あなた方ですか、ウソップ君と共にクロネコ海賊団を追い払ってくれたのは。私はもっと大柄の人たちかと…」
「これ本当にもらっていいのか!?」
「えぇ、ぜひ使ってください。」
メリー号の使い方についてはナミにまかせて、私はメリー号をよくよく観察する。これが…メリー号。凄い、感動ものだよ…