第11章 ゴーイング・メリー号
私は今回どんだけ気を失えばいいんだろうか。そんな大した戦闘じゃなかったはずだし、こんな調子だとこの先不安だ。でも分かったことは、治癒能力が私にはあるということだ。もしかしたら異世界人は皆治癒能力を持ってんのかもしれないけどね。あと、その治癒能力は私の怪我については治してくれないということ。その代わり、自分の意識がある内は大怪我を負ってもある程度までは無茶できる。そして、その治癒能力を使うと自分に倍の力が消費されるということ。今回は海賊達に斬られたのもあってダメージがでかかったから気を失ったりしたけど、そうではない場合はそうそう気絶しないのかも、と思った。その証拠に、私の怪我がもう既に塞がっている。いや傷は残ってるけど、痛みはさほどないんだよね。てか、治癒能力とか便利。みんなの怪我を治すことができるなんて。チート過ぎでしょ。
「ヤバイヤバイヤバヤバ〜イ…」
「何がやばいんだ?」
「うわっ!!」
ポツリと言ったアニメキャラのセリフを聞かれていたとは!それはまぁ驚いた原因じゃない、目の前にルフィがいることに驚いたのだ。目を開けたら顔があるって結構ホラーじゃね?
「もう大丈夫なのか?怪我は?」
「……えっ、あぁうん。ほら、傷口は塞がったよ。」
服を捲ってお腹に巻いてある包帯を見せた。おおっそっかそっか、って笑ってるルフィに少し心配させちゃったかなって思った。
「何捲ってんのよ!!」
「あいたっ!!」
捲っていた手を叩かれた。ナミってば、意外と力がお強いのね。
「目が覚めたのか。…ったく、目の前で気絶されたおれの身にもなれ。」
「あぁ、その説はごめん。でももう大丈夫だから!」
「あんた達の回復力、どうなってんのかしら…」
本当か?みたいな顔をするゾロに、呆れ顔のナミ。いやいや、本当に傷は塞がっちゃったんだって。てか私も生身の人間じゃないってことだよね。
「いよしっ!!なまえも起きたことだし、メシ行こうぜメシ!」
ルフィの提案に一同は村のご飯屋さんに行く。今日のお昼の定食には魚が入ってるみたいだ。