第11章 ゴーイング・メリー号
…あぁ、そっか。クロの目的はカヤの財産だ。なるべく村の人たちにバレないように平穏に財産を得たいクロは、カヤに執事クラハドールに全財産を譲るって言う遺書を書かせて殺すつもりなんだっけ。3人だけじゃ不安だ。しかも子供だし。……よし、私の身体は動く。走れそうだ。援護くらいはできるだろう。船から飛び降りて崖を走り抜ける。
「!!なまえ!?」
「私が援護に入るね、ウソップ!」
「え……でもお前怪我……!!!」
ウソップの言葉は無視して慌てて森へ入っていく4人を追いかける。
「あ、いた!ちょっと待って!私も援護に入るよ!!」
追いかけてからそう立ってない内に4人に追いついた。のも、カヤの走るスピードが遅くなっているからである。大丈夫か、と声を掛けようとした時、カヤさんは倒れてしまった。
「う……ハァ…ごめんなさい、あなた達先に逃げて。」
「何言ってんだよ!!おれ達の任務はカヤさんを守ることなんだよ!?」
「…ちょっと待って。失礼……カヤちゃん、凄い熱出ちゃってるよ!?」
カヤの額に手を置く。やっぱり、無理な運動をしたからだ。どうりでさっきから具合悪そうにしてたわけだ。
「ええっ!?しっかりしてカヤさん!!」
「医者だ医者だ!!」
「ばか、それどころじゃないよ!!命狙われてんだぞ!」
「でもこれ以上走るのは危険だ!!」
「こうなったら…覚悟を決めろ、ウソップ海賊団っ!!」
「よし!!」
「あいつとたたか…」
「ここにいたのか。」
「「「うわぁあああああ!!!」」」
ウソップに頼まれたのは3人であって、私ではない。だから見守り役に徹していたが、それがまずかったのかもしれない。ジャンゴに見つかってしまったのだ。あれ?ルフィとゾロが足止めしてくれたと思ったんだけど。
「ワン・ツー・ジャンゴでお前らは眠くなる。ワン…ツー…ジャンゴ!!」
「「「すかーっ……」」」