第11章 ゴーイング・メリー号
ナミはゆっくりと私を船へおろしてくれる。その時、少しだけナミの肩に当たってしまった。見た目より結構深く斬られていて痛々しい。治癒力とかあったら凄く便利なのになぁ…なんて考えてたら石がさらに光りだした。
「な、なによこれ…あんたのそのネックレス、光ってるわよ…って…」
光が大きくなり、ナミを包み込んだ。目を開けてられず目をつぶったが、目を開けた時は既に光はなくなっていた。目を閉じてた一瞬で消えてしまったみたいだ。
「……なまえ、あんた……こんな能力もあるの!?」
「………え?」
ナミが自分の肩を指差す。さっきみたばっかの傷がなんと……癒えていた。血は塊、切れていたところはふさがってかさぶたになっていたのだ。と、同時にグラッ、と大きく体が傾き、私はまた…
ドカンッ!!!
あぁ…少し気絶してしまったみたいだ。大きな音で目が覚めた。気づくと身体中に包帯が巻かれており、ナミもいなくなっていた。でも、まだ戦闘中なのできっとお宝を奪いに行ったのだろうか。さっきまで全く使い物にならなかった身体がまるで怪我なんてしてないみたいなほどエネルギーが溜まっている。いや、ちゃんとお腹辺りに血が滲んでることから怪我は治ってないことは分かるんだけど…なんだろう、この軽い身体は。胸元の石を見ると、青色に戻っていた。…ナミの肩の治癒のことも気になるし、そのことは全部含めて後でじっくり考えることにしよう。それより、今目の前を見ると壮絶となっていた。あちこち崖が崩れてるし、ゾロがまたブチと戦ってるし、いつの間にかカヤもいるし、あの3人組もいるし…げっ、ジャンゴもあっちに移動してるし。
「ウソップ海賊団!!!」
「「「はいっ、キャプテン!!」」」
「い…言っときますけど…おれ達は逃げませんよ!!!」
「キャプテンをそんな目にあわさせて逃げられるもんか!!」
「キャプテンの敵を取るんです!!」
よく分からないけど、3人が武器を持っていることから何か海賊に手を出したのかな?ウソップは更に酷い怪我を負ってるし…
「カヤを守れ。」
「ウソップさん…」
「最も重要な仕事をお前達に任せる!!!カヤを連れてここを無事に離れろ!!!できないとは言わせないぞ!!これはキャプテン命令だ!!!」
「「「は…!!はいキャプテン!!!」」」