第11章 ゴーイング・メリー号
「……ん?あれ、なまえは?」
「そうよ、なまえは…!!!」
「え?何だ?」
ナミが多分下に転がってる私を指差したのだろう。ルフィが大きく息を飲むのが聞こえた。
「おれ達が戦力にならねぇもんで…あいつが全部請け負ってくれたんだがよ!あの催眠術野郎の催眠で海賊が戦力を上げて…それで……死んじゃいない…と、思いたいが…結構な深手で…」
「…………………」
黙りこくったままのルフィが怖い。今までこんなことなかったもんね。ルフィはちょっとは怒ってくれるのかな。
「おいルフィ……!?」
「ふっざけんなぁあああああ!!!!どいつがなまえを斬ったんだ!!!」
まさかの激怒。これは嬉しいぞ。
「うおおおおお!!!ゴムゴムのっ!!!銃連打(ガトリング)!!!」
「「「「「うぎぁあああああ!!!」」」」」
「ぬあああああああ!!!」
「「「「「いやぁぁぁあ!!!」」」」」
海賊が一斉にこっち側へ走ってきた。なんだなんだ、ルフィに追いかけられて逃げてるのか?情けないなぁ………あ、こっからルフィが見える。ルフィは海賊達を追い越して、黒猫海賊団の船の船首を掴み…
「うわああっ!!船首をもぎ取ってやがる!!!船を壊す気だぁ!!!」
「はっ…違う!!おれ達を殺す気だぁ〜〜〜!!船長なんとかして下さいーーーっ!!!」
「ワン・ツー・ジャンゴで眠くなれっ!!ワーン、ツー!!ジャンゴ!!!」
こいつ船長だったのか。じゃあクロの代理船長というわけか。ジャンゴはルフィに催眠を掛け、単純であるルフィは催眠に見事にかかり、船首の下敷きになったのにも関わらず寝てしまった。
「やりやがったあのガキ…!!これじゃ計画もままならねぇ…!キャプテン・クロにこんなもん見られちまったら…こいつらは勿論、おれ達まで皆殺しだ!!!」
その時、船の中から二人の声が聞こえた。
「おいおいブチ!!来てみろよ、えれぇこった船首が折れてる!!!」
「なに船首がぁ!!?おいおいどういう理由で折れるんだ!!!」
「そうか、まだあいつらがいた…!!!」
そのへんに転がってる海賊達の言葉を拾った。どうやら船の番人がまだいたようだ。“ニャーバン・兄弟(ブラザーズ)”。シャムとブチだ。猫みたいな名前しやがって。
「下りてこいっ!!!“ニャーバン・兄弟(ブラザーズ)”!!!!」