第2章 無色透明な石
「………気持ちは分からんでもないが、ただ酒をかけられただけだ。怒るほどのことじゃないだろう?」
「知るかっ!!もう知らん弱虫がうつる!!」
ルフィは足音を派手に鳴らしながら出口へと向かっていった。その手をシャンクスがつかむ。
「おい待てよルフィ……」
掴んだが、なおもルフィは歩き続ける………ん?掴まれてるのになんで歩き続けられるのかだって?それはさ、ルフィの手が伸びてるからなのよ。それに気づいたシャンクス達は飲んでいたお酒を吹き、大いに驚いた。いや、まあ驚くだろう。私はいつかゴムゴムの実を食べることを知ってたので、さして驚かなかったが。
「手が伸びた…!!こりゃあ………!!」
「まさかお前!!」
「何だこれあああ〜〜っ!!!」
店は大騒ぎ。伸びた本人であるルフィも目をとびたして驚いた。物理的に。
「ないっ!!」
「「「「「「何ぃ!?」」」」」」
「敵船から奪ったゴムゴムの実が!!!ルフィ、お前まさかこんな実食ったんじゃ…!!」
ルーさんがゴムゴムの実を描いた絵をルフィに見せると。
「!……うん、デザートに……!まずかったけど…」
まずかったら普通途中で食べるとやめないか?でも、悪魔の実は関係ないか。一口でも食べれば、能力が手に入っちゃうんだもんね。
「ゴムゴムの実はな!!悪魔の実とも呼ばれる海の秘宝なんだ!!食えば全身ゴム人間!!そして一生泳げない体になっちまうんだ!!」
「えーーーーーっ!!!うそーーーーっ!!!」
「バカ野郎ーーーーー!!!」
まあ、こんな感じでゴム人間になったルフィ。次の日にはもうゴム人間になったことを嬉しく思ってるみたいで。街の人たちに自慢しまくってるらしい。今日も店にやってきたルフィにお茶を出してやる。
「もう船長さん達が航海に出て長いわね。そろそろ寂しくなってきたんじゃない?ルフィ。」
今は誰も店にいないので、静かだ。
「全然!おれはまだ許してないんだあの山賊の一件!おれはシャンクス達をかいかぶってたよ。もっとかっこいい海賊かと思ってたんだ。幻滅したね。」
「そうかしら。私はあんなことされても平気で笑ってられる方がかっこいいと思うわ。」
「マキノは分かってねぇからな。男にはやらなきゃいけねぇときがあるんだ!」
「そう…駄目ね私は。」
「うんだめだ。」