第2章 無色透明な石
「悪かったなぁ、マキノさん。雑巾あるか?」
「あ…いえ、私がやりますそれは。」
「私が持ってきてるよシャンクスさん。」
脳内悪口で必死だった私は、ハッ、として持ってるタオルを渡すためにシャンクスにかけよる。何やってんだ、こんなのに時間を要するなんて。すると、シャンクスが焦ったように私を見てタオルを上に被せた。そして、目が見えなくなったが、多分シャンクスに抱えられたのだろう。なに、と講義しようとしたとき。
ガッシャァン!!!
耳元でけたたましく食器が割れる音がした。さっき割ったのもてめぇかこの野郎。タオルが濡れてきたので多分カウンターの上に合った水をヤマザルが割ったのだろう。シャンクスはそれを予測して、咄嗟に落ちてくるガラスの欠片から私を守ろうとタオルを被せたのか。イケメン過ぎる。
「掃除が好きらしいな。これくらいのほうがやりがいがあるだろう…!ケッ、じゃあな腰抜け共。」
そう言ってヤマザルは店から出ていった。タオルからモゾッと出ると、床はさらにびしょびしょになっていたし、ガラスの破片も飛び散っていた。
「なまえ、船長さん!大丈夫ですか!?ケガは!?」
「あーー、大丈夫問題ない。」
「……全く、モノでしか権力を振りかざせないなんて、どんだけ小物なんだあいつら。どっちが腰抜け共なんだって話だよね。ありがとシャンクスさん。」
またフツフツと怒りが湧いてきた。マキノさんにならって周りに飛び散るガラスを避けながら自分が被ってたタオルで床を拭く。あー、あいつらにやらせたい。
「………ぷっ!!」
シャンクスが堪えられないというように、吹き出した。そこが引き金になり、船員(クルー)達も笑いだし、一気に店は笑い一色になった。
「っだーーっはっはっは、何てザマだお頭!」
「派手にやられたなぁ!!」
「はっはっはっはっは!!」
そこに笑いを吹き飛ばす程の怒声をあげたのはさっきまでジッと耐えて見ていたルフィだった
「なんで笑ってんだよ!!あんなのかっこ悪いじゃないか!!何で戦わないんだよ!!いくらあいつらが大勢で強そうでも!!あんな事されて笑ってるなんて男じゃないぞ!!海賊じゃない!!」
そうとう怒っているようだ。私もあれには腹を立てたから、まあルフィのいうこともわかる。