第11章 ゴーイング・メリー号
興奮したように私を見るウソップと、不審そうに見るナミに再度口封じをする。二人には隠してもあまり追求しないだろうけど、ルフィには隠し事はできないことは知っている。きっと、絶対に追求するだろう。そしたらシャンクスとの約束が…
「ワーン!!ツー!!ジャンゴ!!!」
「「「「ウオオオオオオオーーーーっ!!!!」」」」
催眠術にかかったのか、あんなにフラフラであとちょっとで倒せそうだった海賊達が雄叫びを上げる。しかも崖を腕で砕いて粉々にしてるし。え、ちょっと待ってよ怖いよ!!
「崖をえぐりやがった…!!なんてパワーだ!」
「そんな…本当に催眠がかかってる!!!」
「1人でも崖をえぐるってのにあの人数じゃ…!!」
「私もう怖いよぉ…獣じゃんあんなの。人間じゃないじゃん!!」
「ちょっ…頑張れよ!!お前1人で結構な人数倒したじゃねぇか!!」
「今戦ってないあんたに言われたくない!!めっちゃ怖いんだよ!?あんな目を一心に受けてみなよ!!ヤバイよヤバイ!!」
もう怖い。早く来てよルフィにゾロ!!いつまで迷子になってんだゴラァ!!!
「行けっ!!邪魔する奴らはひねり潰せ!!」
「「「「「ウオオオオオオオ!!!」」」」」
「と、とりあえず二人共、坂の上の安全なところに避難してて!」
ザパーーーン!!!
二人が崖の上へ避難したのを見届けてからもう一度波を寄せてみた。あんなに強くても、水の、ましてや津波の威力には劣るまい。…と、思ったけどだめだったみたい。
「うおおおおお!!!」
「え、うそ…」
ジャンプで津波を越えて頭上から降ってくる海賊達。さっきは下の方まで巻き込まれていたのに、何この違いは。…ヤベ、そんなこと言ってる場合じゃない。これは斬られる。
ザク!!!
痛い、熱い、赤い赤い血が噴いた。真正面から結構深く斬られたようだ。3人の海賊にざっくりと、もちろん斬られた回数も3回。これ、死ぬのかな?
「「なまえ!!!」」
ウソップとナミが叫ぶ。役に立たなくてごめんね…これで村に攻め込まれることになる。あぁでも私結構頑張ったな。…そのまま地面に倒れる。手が、足がピクリとも動かないけど、不思議なことに頭はスッキリしていた。