第11章 ゴーイング・メリー号
声が段々と近づいてきた。まぁルフィが先に行ったから、大丈夫だとは思うけど…
「あぅ!!!」
え?ナミの声が聞こえた。ウソップの声も聞こえるが、ルフィの声は聞こえない。どうなってるんだいったい。森を抜け、海岸が見えると同時にウソップが血だらけで倒れてるのが目に入った。
「ウソップ!!」
「……!おまえ…」
「なんで…ルフィは!?」
「来てねぇ…」
「はぁぁぁぁあ!!?さっさと来いよもおおおお!!!怖いんだよバカあああ!!」
「え……」
っとに…肝心な時に限って役に立たないんだから!そういうところは昔から変わんないよねルフィ!!てか本当に怖い!!目の前に30人くらいの海賊が武器持ってこっち見てる。これはヤケぞ。この間練習したもの使ってみるか。やんないと殺される。
「ウソップ…阻止、出来ればいいんだよね?」
「お前…戦えんのか?」
「知らんわそんなん!やってみなきゃ分かんないでしょ!!」
海に向けて両手をかざす。青色の石が輝き始めた。よし、行ける。
「どけ!!!」
大量に私へと走ってくる海賊達。海がピクリと反応したのを見てから思いっきり上に手を振り上げた。すると
ザッッバーーーン!!!
ナミがいる崖ギリギリのところまで津波が襲ってきた。ナミより下にいた海賊達は全員津波に攫われ地面に打ち付けられる。
「うわあああああああ!!!」
「なんだ!?波が勝手に…!!!」
「てめぇ!!何しやがったガキ!!」
「ガキじゃねぇし寄ってくんなボケェ!!!」
パァン!!!
津波を操った手でそのまま襲ってきた海賊に振ると、銃声のような音と共に海賊が倒れた。
「銃声…!?」
パァン!!パァン!!
怯んでる内にどんどん倒していく私。結構精神的に来るものはあるけど、やらなきゃやられるとずっと心に思ってる。じゃないと撃つのを躊躇ってしまう。