第11章 ゴーイング・メリー号
「20秒でそこ行くぞ!!!」
「ちっきしょおせっかくの油作戦が台無しだ!!」
「ウソップ!!今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?急いで向かわないと!!」
「お、おお!そうだな!!」
「急がな………きゃああ!!助けて落ちる!!」
「おいナミ!!何やってんだ。」
ナミの悲鳴でウソップを追いかけようと走り出した足が止まる。ナミが見事に油で滑って下に落ちようとしていたのだ。
「だから言ったじゃん気をつけなって…」
ウソップの姿はもう見えない。とりあえずゾロも残ってることだし、ナミを助けないと…と思ったときに、ナミはゾロの服を引っ張って道連れにした。
「うわああ!!手ぇ離せバカ!!」
「あ、ごめん。………しめたっ!ありがとゾロ!!」
「うわーーーっ!!」
ナミが転げたゾロを足蹴にして油地獄から抜け出したのだ。ゾロを踏むって…よくそんなことできるな。
「わるいっ!宝が危ないの!!なんとかはいあがって!!」
そしてナミはゾロを振り返ることなく森へ消えていった。マジか…ナミ凄いな。
「あの女殺す!!」
「ゾロ……大丈夫?あの、手を出すからここまで登れる?」
「ったく……おい、なまえ!おめえ先行け!このくらいの坂、登れねぇことはねぇはずだ。」
「えっ、でも…」
「いいから、大丈夫だ!」
「……分かった!なるべく早く来てね!」
ツルツル滑って登れてないゾロを見捨てて走るのはちょっと気が引けたが仕方がない。とか言って、実は強い人がそばにいないと怖いんだよね。多分この戦闘、私も参加せざるを得なくなるだろうから。なんて言ったって、海賊船を相手にするんだから。とりあえずここから真っ直ぐ行けば海岸へつくといった。村を突っ切ったほうが分かりやすいかもしれない、意外と方向音痴だったりするからね。…そういえば、ゾロもルフィも方向音痴なんだけど大丈夫かな…?とくにゾロ。