第11章 ゴーイング・メリー号
「よし、完璧だ!!」
ウソップの大きな肩掛けバッグから大きな小瓶を出して、坂道上にかけるウソップ。
「これで奴らはもうこの坂道を登れない!!ここに敷き詰められた大量の油によってな!奴らがこの坂でツルツル滑ってもがいてるスキにブチのめす作戦だ。とにかく何がなんでもこの1本の坂道は守り抜く!!」
油だったのか…じゃあこれ、ツルツル滑ってるだけじゃなくて、火を付けたらいいのに…って、向こう側は海だから消されちゃうのか。
「逆に自分達が滑り落ちなきゃいいけどね。蟻地獄に飛び込む様なものだもん。」
「言った人が落ちるっていうけど、ナミが落ちないようにね〜」
「落ちないわよ!!」
「お前よくこんなチョコザイな事思いつくな。」
「そりゃそうだ!!!おれはチョコザイさとパチンコの腕にかけては絶対の自信を持ってる!!!」
チョコザイさは自慢してもいいものとは思えないけど、パチンコの腕っていうのは凄いな。
「夜明けだ、来るぞ。」
「来ねぇなぁ…朝なのに…」
「寝坊でもしてんじゃねぇのか?」
そう、いくら待っても水平線の向こうから海賊船が見える気配がしないのだ。そろそろ来てもいい頃だと思うのに。それに、朝も明けきりそうだ。
「あのさ、気のせいかしら。北の方でオーッ、って声が聞こえるの…」
「え?」
「北!?」
「うん、やっぱり聞こえるわ!」
「おいどうした!?」
「き…北にも上陸地点がある…!!まさか…」
「海岸間違えたのか!?もしかして!!」
「嘘でしょ!?さっきここしかないって言ってたじゃん!」
「だってよ、あいつらこの海岸で密会してたからてっきり!!」
「急ごう!!村に入っちまうぞ!どこだそれ!!」
「ここからまっすぐ北へ向かって走れば3分でつく。地形はこことほぼ変わらねぇから坂道で食い止められりゃいいんだが!!」
「まずいっ!!北の海岸ってったら、私達の船がある場所だ!!船の宝が取られちゃう!!」
みんなが焦り始める。私も例外ではないが、ナミはやっぱり違う目的で焦ってる。