第2章 無色透明な石
「相変わらず楽しそうですね船長さん。」
樽を運んできた、ここの店主のマキノさんがそう言った。マキノさん、めっちゃ優しくて私大好きなんだよなぁ。
「あぁ、こいつをからかうのは俺の楽しみなんだ。」
「ルフィ、あなたも何か食べてく?」
「あぁ、じゃあ“宝払い”で食う!」
「出たな“宝払い”!お前そりゃサギだぜ。」
「違う!ちゃんとおれは海賊になって、宝を見つけたら金を払いに来るんだ!」
「ふふふ!期待して待ってるわ。」
「しししし!」
店の奥に入ろうとしたマキノさんに、私は声をかける。
「マキノさん!その水、私が汲んできます!」
「あら、ありがとうなまえ。」
そう言って嬉しそうに笑うマキノさん。褒められるのが嬉しくて、どんどん仕事しちゃうのはやっぱり今私が幼いからだろうか。でも、いくつになっても褒められれば嬉しいよね!店の裏にある井戸から水を汲み、浄水して飲める水に変える。その水は、店に置くための樽にいれる。前は井戸の使い方から分からなかったのに、慣れっていうのは恐ろしいよね。その時
バリィン!!!
何かが割れる音が聞こえた。びっくりしてせっかく汲んだ水を落として台無しにしてしまったが、今はそれを気にしてる場合じゃない。何事だ、急いで店に戻る。と、そこには山賊がいた。何故かシャンクスは水……酒を被ってびしょ濡れになっていた。
「おい貴様。この俺を誰だと思ってる。ナメたマネするんじゃねぇ…ビン1本じゃ寝酒にもなりゃしねぇぜ。」
「あーあー、床がびしょびしょだ。」
なんか怒ってるヤマザル。それにも臆することなく店の床の心配するなんて、可笑しな人だな。とりあえず取りやすいところにかかっていた大きなタオルを取ってシャンクスに近づいていく。
「これを見ろ。八百万ベリーが俺の首にかかってる。第一級のお尋ね者ってわけだ。56人殺したのさ。てめぇのように生意気な奴をな。わかったら…今後気をつけろ。もっとも山と海じゃもう遭う事もなかろうがな。」
くどくどくどくど煩いやつだな。ルフィの最初の懸賞金なんて三千万ベリーなんだからね。しかも殺さずに成り上がったんだからね。お前なんてゴミだわ。こんなんで偉そうに懸賞金振りかざすようなやつはカスだわ。