第10章 海賊の息子
「オイ誰だ。このおれを“変な人”と呼ぶのは!おれは変じゃねぇ!!!」
「変よどう見ても。」
「てか、後ろ向きで歩いてるだけでそんなにあれ?ただのムーンウォークじゃない。」
そうなのだ。まあ確かにここにくるまでずっとムーンウォークしてきたのは凄いが、ムーンウォークてきることはそんなに凄いことじゃない。私はできないけどね。
「バカを言え。おれはただの通りすがりの催眠術師だ………」
「さ…催眠術!?すげえ!!」
「やってみせてくれよ!!」
「うんやって!!」
3人は催眠術と聞いて興奮している。そういうところは子供なんだよなあ。私は全然そういうの興味ないしねぇ。
「何!?バカヤロウ、何でおれが見ず知らずのてめぇらに初対面で術を披露しなきゃならねぇんだ。いいか、よくこの輪を見るんだ。」
「やるのか。」
「なんだかんだ言って、悪い人じゃないみたいだね。」
「ワン・ツー・ジャンゴでお前らは眠くなる。いいか、いくぞ…ワーーン…ツーー…ジャンゴ。」
そして仲良く4人で眠りについた。
「おいこいつ何なんだ!!!」
自分でやった催眠術に自分もかかるなんて、相当だよ。ただのバカだ。ナミもゾロも呆れて物も言えないみたい。しょうがない、私が起こしてやるか。
「…おーい、あの〜…起きてくださーーい!道端で寝ると風邪引きますよ〜〜?」
「…………んぁ!!しまった、また寝てしまった!」
「あ、起きた。」
「すまねぇな……っと、おれはこの辺でお邪魔するぜ。」
起きて早々歩いて行ってしまった。お騒がせな人だ。さてと、あとの3人も起こしますか。