第10章 海賊の息子
「君達もさっさと出ていきたまえ!!!」
「あ……あの、不法侵入申し訳ありませんでした。失礼します……ほら、ガン飛ばしてないで帰るよルフィ。」
「なんで謝るんだよ!!」
「悪いと思ってるからだよ!ルフィこそ、バカなことやってないで!!」
「バカじゃねぇぞ、失敬だな!!」
「はいはい。」
ルフィの背中を押して門をくぐる。まだ納得してないようなルフィを説得する気にもなれず、少し強引だったかもしれない。
「ねぇ、ルフィどこ行ったの?」
「さぁな、キャプテンを追っかけてったんだろ。」
私達は村まで戻ってきていた。さっきルフィはどっか行ってしまったが、私はついて行こうとは思わなかったので、ゾロ達と一緒にいる。
「キャプテンならあそこだ!」
「うん海岸だ。なんかあるととりあえずあそこに行くんだ!」
「「いってみる?」」
「いやいい…」
「そういやなんか…ルフィとウソップ知り合い?みたいだよ。」
「え?そうなの?」
「…うーん、ウソップみて思い出したって言ってたから……分かんないけど。」
「まぁ別にあいつらが知り合いでも関係ねえだろ。」
まあ確かにそうだけど。小さい頃から私達は一緒にいたから、ウソップと知り合いだってことはおかしいんだよなぁ。私と知り合う前に知り合っていたとしても、ルフィはあの村から出たことないはずだから会えるはずもないんだよねぇ。
「それよりあんた達、1人たりないんじゃない?」
「あぁ、たまねぎ!あいつすぐどっかに消えちゃうんだよな。」
「うん。そして大騒ぎしてあらわれるんだ。」
「わあああああああ大変だあああああ!!大変だーーーっ!!!う!!ううう!!うしろ向き男だあ〜〜〜〜っ!!!変な人がうしろ向きで歩いてくるんだよっ!」
本当に騒いであらわれた。毎度騒いであらわれるって、どんだけこの村おかしなことが多いんだよ。
「「うそつけ。」」
「ほんとだよ!!!あれ見て!!」
確かに向こう側から後ろ向きでこっちに歩いてくる変な男がいた。服は黒だしちょっと怪しいよね。