第10章 海賊の息子
ピーマン君達の案内で、屋敷の前まできた。本当におっきいお屋敷だなぁ。ここに執事達を抜いて独りで暮らしているなんて…
「こんにちはーっ、船くださーい。…さあ入ろう。」
「ちょっ…ルフィ!!泥棒と間違われたらどうすんの!!降りてきなさい!!」
「え〜?いいじゃねぇか、あいつもここにいんだろ?ほら、なまえも!」
「え!?わぁぁぁぁあ!!」
不用心に柵を超えて屋敷に入るルフィ。柵の上でルフィが私の腰に腕を伸ばして引き上げる。そんな高さはないけど、つかむものがないのでめちゃくちゃ怖いぞ。まぁ、みんな問題なく超えちゃってるんだけどね。お庭を通ってすぐ曲がったところに、ウソップと女の子が見えた。あの人がお嬢様……カヤだ。そうだ、カヤだ。思い出したぜ!
「キャープテーン!!」
「げっ!!お前ら何しに来たんだ!!」
「この人がつれて来いって…」
3人共ルフィを指差す。
「誰?」
「あ!お前がお嬢様か!」
「あー、こいつらはおれの噂を聞きつけ遠路はるばるやってきた、新しいウソップ海賊団の一員だ!」
「ああ!!…いや!違うぞおれは!」
普通に肯定したぞルフィ。大丈夫か?船長はお前だぞ?全く、挨拶もしないで…
「勝手に屋敷に入っちゃってごめんなさい。私達、旅の者なんですけどちょっと頼みごとがあって……」
「頼み?私に?」
「ああ!おれ達はさ、でっかい船がほしいん…」
「君達、そこで何をしてる!!」
ルフィの声を遮って、執事らしき人がやってきた。あー、見つかっちゃった。決して怪しいものではありませんよ〜、海賊だけど。
「困るね、勝手に屋敷に入って貰っては!!」
「げっ、執事。」
「クラハドール…あのね、クラハドール、この人達は…」
「今は結構!理由なら後でキッチリ聞かせて頂きます!!さあ君たち、帰ってくれたまえ。それとも何か言いたいことがあるかね?」
「あのさ、おれ船がほしいんだけど。」
「ダメだ。」
バッサリ。マジで効果音がつきそうなほどバッサリとダメ出し食らった。クラハドールさん、結構おかたい人なんだね。ルフィ、めっちゃ落ち込んじゃったし。