第10章 海賊の息子
「おばさん!!肉追加!!」
「おれも酒っ!!」
「てめぇら話聞いてんのか!!?」
結構シリアスめな話になりそうだったのに、ルフィもゾロも空気読まないんだから。ナミも結構ツッコむなぁって思ってたけど、ウソップはその上いってそう。
「……もう1年くらいになるかな。かわいそうに病気で両親を失っちまったのさ。残されたのは莫大な遺産とでかい屋敷と10数人の執事達…!!どんなに金があって贅沢できようと、こんなに不幸な状況はねぇよ。」
そんな娘から船は貰えないなぁ…。そんな話を聞かされちゃうと、頼みづらいし。
「どうするナミ?」
「……やめ!この村で船のことは諦めましょ。また別の町か村をあたればいいわ。」
「そうだな。急ぐ旅でもねぇし!肉食ったし!いっぱい買込んでいこう!」
じゃあそういうことで、私達の用事はすんだ。ここの村ではゆっくりしていこうかな。
「ところでお前ら、仲間を探してると言ったな……!」
「うん、だれかいるか?」
「おれが船長に、なってやってもいいぜ!!!」
「「「ごめんなさい。」」」
「はえぇなおい!!」
超ドヤって自分を船長に、と提案したウソップに対して、3人はいっせいに頭を下げた。船長は無理だと思うけど、仲間にならいいんじゃないの?…と思うけど…
「…おっ、そろそろ時間だ。じゃあな!」
「え?」
そう言って颯爽と店から出ていった。なんかこのあと用事でもあったのかな。わざわざ町を案内してくれたので申し訳ないことしちゃったかなぁ。
「…この後どうする?」
「ん〜…とりあえずもう少しだけここにいるか!ずっと海の上だったしな。」
食後のお茶タイムに入った私達。はぁ〜、デザート頼んでるの私だけなんだけどこのティラミスめっちゃ美味しい〜。
「ウソップ海賊団参上!!」
その時、店に大声で叫びながら3人の男の子が入ってきた。これも珍しくない光景なんだろうか、周りの人たちはあまり気にしてない様子だ