第2章 思ひ出ほろりん〈カラー松〉
『あれ?今日は一松くんとカラ松くんだけ?他のみんなは?』
「・・・死んだ。」
『こら、一松くん。そういう不吉なこと言わないの。』
「おそ松とトド松はパチンコ、チョロ松はニャーちゃんのイベントで、十四松は野球をしに出かけている。」
『じゃ、今日は3人だね。お昼どうしようか?』
ここは花子のマンション。
童貞を卒業したあの日から約1ヶ月。
おれは足繁く花子のマンションに通った。その理由は、もちろんヤりたくて。
で、何回か行為に及んだのだが、その度におれは部屋にある例のゴムをくすねていた。
それに加えて外出の頻度が多くなり、帰りも遅いことが増えたおれに5人の兄弟、いや5人の敵に不審に思われ、問いただされた。
その結果、今や6つ子全員が花子の部屋で奇妙な共同生活を送るようになっていたのだ。
マンションは広く一部屋を6つ子の部屋として花子がくれたため、おれたちはその部屋で日々過ごしていた。
夜はもちろん花子は1人で寝ていて、なんとかみんな上手くタッティを隠してはいるが・・・・・それもいつまで続くことやら。
「フッ、オマエら食べたいものがあればオレが作るぞ?」
『あ、その前にスーパー行かないと材料ないかも。』
「OK、カラ松ガール。じゃ、2人でスーパーに行くか?」
クソ松はいつものよく分からないイタイ服装で、花子を買い物に誘っていた。
6つ子の中でコイツが1番の危険人物。
というか、1番花子に会わせたくなかったのがこのカラ松。
なぜなら、花子のファーストキスの相手がカラ松であり、カラ松のファーストキスの相手もまた花子であるからだ。