第1章 始まりは突然に・・〈一松〉
『ねぇ、いつまでそこで丸くなってるの?』
「・・うるさい。死にたい死にたい死にたい死にたい。あぁぁ、死にたい。死にたぁぁぁぁい。」
『一緒に寝ようよ?』
おれは少し前までいた部屋の隅に戻って、パンイチで丸くなっていた。
なんでかって?
いざ、ゴムをつけて花子のグチョグチョしたアソコに挿れたら、気持ち良すぎてその瞬間にイってしまったのだ。
・・・すっげぇかっこ悪いじゃん。おれ。
1回も腰を振ることもなく呆気なく終わって。
ケダモノみたいに盛ったのに、この様。花子に見せる顔もねぇ。
・・・あぁ、死にてぇ。
ドンドンと壁に頭を打ち付けてると、慌てた花子がおれを止めに来る。
『ちょ、ちょ、一松くんっ!やめて!』
シュンと縮こまるおれの腕を引っ張り、強引にベットに連れ戻そうとする花子。
流石に花子の力じゃおれの身体は動かない。そんなおれに怒ったのか花子は頬をプクっと膨らませていた。
少しすると諦めたのか、おれの腕を離して俯きながらポツリポツリと話始める。
『あのね、一松くんが隣にいてくれるだけですごく安心するんだ。だから傍にいて欲しいんだけど・・・やっぱりダメ?』
・・・ダメじゃないですぅぅぅ。
なにこれ、なにこれ。あざといし可愛いんですけどぉぉぉ。トッティがあざといのは腹が立つけど、花子があざといのはすげぇ可愛いっ!
「・・・しょうが・・ねぇな、」
かっこ悪いほどに素っ気無いが、これが今できる精一杯のおれの返事だった。
その後2人でベットに潜り込み、腕枕をしてあげると花子は猫のようにおれに擦り寄りものの数分で寝むりについた。
ゴミでクズでニートのどうしようもないおれが、まさか6つ子の中で1番に童貞を卒業するなんて思ってもみなかった。
肩までかかる少し茶色い髪を撫でながらもう一度花子にキスをすれば、今までに感じたことのない幸福感に支配されるのだった。
(「・・・可愛いよ、花子。」)