第2章 出逢い
『今日もありがとうございました
またお待ちしてます』
今日もまた、私は見知らぬ誰かと肌を重ねる
汚らわしい自分の体に吐き気を覚えながらも
身なりを整える毎日
嗚呼、まだ夜は終わらない
「桜、入るよ」
『はい』
嫌気がさしていた頃、女将さんが
部屋へと入ってきた
仕事中にここに来るということは
きっと大事な用事だろう
「悪いんだけどね、今から表に行ってくれるかい?」
『こんな時間に表に?珍しいね』
「お前さんも新選組は知っているだろう?」
『ええ』
「今日、角屋さんにいらっしゃるみたいでね
角屋さんがぜひ桜にって言うんだよ」
新選組といえば、知らない者はいないと言う程
有名集団
角屋によく来るとは聞いていたけれど今まで
席につくことは無かった
女将さんの話によると今日は幹部で宴会をする予定で
下手な芸妓に行かせるくらいなら角屋さんで何度か
仕事したことがある私にと言うことらしい
「頼めるかい?」
『あい、分かりました
準備が終わり次第、角屋さんに行きますね』
「嗚呼、頼んだよ」
女将さんが部屋を出たあと、私は用意を済ませ
角屋へとむかった
表島原と裏島原は同じ敷地で繋がってはいるものの
裏はあまり知る人もいない
それでも需要があるのは確かではある
角屋につくと、角屋の女将さんに君菊姉さんがいる
部屋に行くようにと伝えられた
『失礼します』
君菊姉さんがいる部屋にはいると
御化粧する姿が目に入った
「今日は桜となら安心ね」
『頑張ります』
君菊姉さんは凄く優しくしてくれて
何度か角屋で一緒の席に着いたこともある
妹のように、可愛がって貰えて
私も姉のように慕っている
君菊姉さんと他愛もない話をしながら
呼ばれるのを待つ
少ししてから新選組が来たと知らされ
君菊姉さんと部屋を出た
「失礼します」
君菊姉さんに続き新選組がいるてあろう
部屋にはいる
そこには容姿に優れた男性達がいた
君菊姉さんは近藤さんと土方さんの接待をしていた
私ともう1人の芸妓で他の方達をもてなす
そこには私と少ししか年の変わらなさそうな
青年と男装した少女がいた
『初めまして、桜と申します
よろしゅう頼んます』