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パンひとつ分の愛を【ONE PIECE】

第4章 注文はパンとレッサーパンダを




「スペード高校って、あのちょっとおバカな学校?」

「おいおいベポ、失礼なことを言うなよ。あそこの高校は制服が最高だ!」

「……どっちが失礼なんスか。」

ベポの言うとおり、スペード高校は学力レベルがかなり低い学校である。
どのくらい低いのかは想像に任せるが、進学校であるハート高校の首席をとったローとは雲泥の差だろう。

「あの黄色いスカートがまた可愛いんだよなぁ! ね、キャプテン、お願い! ちょっとだけでいいんで!」

「アホだな、シャチ。何度誘ったって、キャプテンが合コンに行くはず――」

「わかった。」

上半身を起こして頷いたら、三人が黙り込んでローを見つめた。
まさしく、鳩に豆鉄砲。

「「え、ええぇッ!?」」

なぜか誘ってきたはずのシャチまでもが驚愕し、しきりにローの体調を心配する。

「だ、大丈夫ッスか? 熱でもあるんじゃ……。」

「キャプテン、早退する?」

「俺のせい? 俺のせいなのか?」

額に手を当てようとしたベポの頭をべちりと叩き、大きなため息をつく。

「そんなんじゃねェよ、ただ……気分が向いただけだ。」

「マジで? いや、でもラッキー! じゃあ早速、向こうの子に連絡を……。」

「待て。」

動揺から一変、すぐに気を取り直したシャチを止め、ローは一番大事なポイントを彼に伝える。

「合コンには行ってもいい。だが、条件がある。」

「じょ、条件? 俺、あんまり金持ってないよ?」

「誰が金と言った。そんなもんはどうだっていい。向こうの女に言っておけ、条件は…――」


――レッサーパンダを連れてこい。



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