第7章 トラ男とパン女の攻防戦
下着のクラッチをずらし、ローの指が潤う蜜源に触れた。
そっと、慎重に、確かめる程度の接触。
指の腹で軽く押すくらいの刺激は、しかし、ムギの喉を戦慄かせるには十分なものだった。
「ひぅ……ッ!」
大げさな反応だと、自分自身でも思う。
触れるか触れていないかわからないほどのタッチ。
けれどもムギの花弁は愛しい人の指に過剰なほどに反応して、きゅんと疼いたお腹の奥から新たな蜜がとろりと零れた。
自分ですら異常だと思える反応に対して、ローはなにかを言いたげ瞳を揺らし、けれど結局はなにも言わずに唇を引き結んだ。
なにか言ってほしい。
変だとか、普通だとか、なんでもいいから。
なにもかもが初めてすぎるムギには、今の自分の状態が客観的に普通なのか異常なのかもわからないのだ。
けれど、ムギを安心させ、気遣う余裕はローにもない。
見えないなにかに追いつめられるように焦り、息が乱れ、それでも止められないローの様子に、ムギの心がいっそうざわめいた。
やがて、柔らかく触れるだけだったはずの指は、未開拓の秘処へと進んでいく。
下着の上からそうしていたように、濡れた媚肉を緩やかに擦り出した。
「あッ、んん、ひぁ……、やだぁ……ッ」
あいかわらずムギの口からは艶めかしい嬌声と否定の言葉しか漏れない。
だって、怖いのだ。
今まで知らなかった感覚が波のように押し寄せてきて、攫われてしまいそうで怖い。
自分が自分じゃなくなるような感覚は、これまでの人生で一度たりとも経験しなかった。
助けを求めるべき相手は、ロー。
でも、ムギをおかしくさせている元凶もまた、ロー。
下肢からは先ほどよりもずっと生々しい水音が響いて、にちゃにちゃとローの指に絡んでいく。
水音を耳にするたび、擦られるたび、新たな蜜が生まれて流れるから、尻まで伝ったそこは粗相をしたみたいにびしょ濡れだ。
燃えるような羞恥に苛まれ、我を失うこともできず苦しむムギの蜜口に、ローの指がついに潜り込んだ。