【うたプリ】My only prince.【R18】
第1章 不器用な愛のボリューム〘音也〙※
『…え?』
音也が私の前で珍しく真剣な顔をするから、私もドキドキしていると同時に動揺して言葉が出てこなかった。
「…いや、何でもない」
音也はふにゃっと笑った。
『じゃあ…じゃあ音也は私の事どう思ってるの?』
多分音也のさっきの質問とはちょっとニュアンスが違うけど、今の状況ならどんな答えが返ってくるのだろうかと思った。
音也はびっくりした顔をした後にまた真剣な顔になって、私の目を見た。心臓がドクンと跳ねた。
「俺は…好き、天音のことが」
『えっ?』
耳を疑った。
音也が私のことを好き?
「ねえ、天音は俺のこと、親友だって思ってる?」
『だって音也がいつもそう言ってるじゃん。だから私…』
「ごめん、それは嘘。俺やっぱり伝えるのマジ下手だよね」
音也は笑いながら言った。
『私だって音也のことずっと親友だなんて思ってなかったよ』
言っちゃった。もう戻れない。
「…天音、こっち向いて」
俯いていた顔を上げると、顔を両手で優しく掴まれてキスされた。