【うたプリ】My only prince.【R18】
第1章 不器用な愛のボリューム〘音也〙※
「やっぱ天音には何でも話せちゃう!
天音って超すごくない??」
『なにそれどういうこと…』
何でも話せるって音也は私に言うけど、それが2人の距離を隔ててるようにさえ感じられてしまう。
私はずっと音也のことが好きだけど、音也は私にきっと何でも話してるんだろうな、なんて。
ていうか私の部屋で2人で宅飲みしてて、ちっっともイイ雰囲気にならない私たちって…
私、相当意識されてないんだろうな。
「ちょっと天音〜?急にボーッとすんのやめてよ、何か変だよ?もしかして酔ってんの?」
『うるさいな〜、私だってたまには酔うけど?』
「えー!超珍しいじゃん!!俺まだあんま酔ってない!」
『音也は強いっていうか、いつもそんな感じっていうか…』
「天音も酔ってるなら俺みたくうるさくしていいからね」
『はぁ…』
そういってイタズラっぽくにこにこ笑う音也はちょっと可愛くて、
『…かわいい』
つい口から出てしまった。
「え??今かわいいって言った?」
『あ、うんつい。ごめん』
音也は斜め下を見たままで、ちょっと間が空く。
賑やかだったさっきまでの空気とはガラッと変わった感じがして、なにか緊迫した予感さえした。
「…俺って、天音からどう見えてんの?」