第3章 マネージャー、やらないか?
「探したよ。学級委員はクラス分の記録用紙を取りに行かなければならないらしい」
『あ、分かった。ごめん、桃ちゃん。先行ってて』
「分かった!」
西松「明石さん」
『んー?』
西松「手伝おうか?」
『あー…けd』
「必要ないよ。行こう、明石さん」
西松君は思いっきり赤司君を睨んでいた。けどまぁ今回は本当に手伝う必要がないから、あたしから断ろうとしてたんだけど。だけど…
『なーんであんなに突っかかるかなぁ…』
「ただ単にオレが気に入らないからだろう」
…おっと。独り言のつもりが、赤司君にまで届いていたなんて。
『けど何で西松君は赤司君の事が気に入らないんだろう。同じバスケ部員でしょ?』
「…まさか、気付いていないのかい?」
『え?何が?』
「…報われないな、西松も。それに、同じバスケ部員て言ったけど、それは少し違う。確かに同じバスケ部だが、オレと西松とでは所属する軍が違う。軍が違えば、オレ達に馴れ合いは必要ないよ」
ゾクリとした。赤司君の言い方は本当に西松君の事を何とも思っていないようだった。
桃ちゃんから赤司君は1年でも特別だと言っていた。その証拠に、特例で副主将になったとか。1年で副主将。帰宅部のあたしでもその凄さは分かる。
赤司君は凄い人なんだ。
「ほら、着いたよ。明石さん」
『あ、うん』
そんな赤司君があたしなんかとこうやって話してくれているのに疑問を感じる。まぁきっと学級委員になっちゃったからだと思うけど。
軽く説明を受け、あたし達は校庭に散らばった。どうやらクラスを男女に分け、学級委員が代表してローテーションで回していくらしい。