第2章 もう1人の…
放心状態のあたしに、隣の席の女の子が説明してくれた。どうやら入学式に配られた紙にテストの事も書いてあったらしい。もちろんあたしは見てない。その結果がこれだ。
内藤「はいそこまでー。後ろから集めてくれ。この結果はHRの時に返すからなー」
朝から頭を使ったあたしは、キャパオーバーで机に突っ伏した。
「…大丈夫か?」
『あぁ、大丈夫大丈夫。ちょっと頭使いすぎただけだから』
別にあたしはめっちゃバカというわけでもない。ザ・平均ってくらい。だけど頭を使う事は好きじゃないため、こうやって毎回疲れている。
一方心配してくれた赤司君は超余裕そうだ。見るからに頭良さそうだもんね。入学式代表の挨拶をするくらいだから、さぞ天才なんだろうな。羨ましい。
「ちゃん、テストどうだった?」
『桃ちゃん、それは聞かないでおくれ…』
「?それより委員会、何やる?」
『委員会?』
「さっき先生言ってたよ!HRの時、一緒に委員会とか決めちゃうって!一緒にやろうよ!」
はわわわ天使がいらっしゃる。もちろんYESと答えさせていただきました。
『あかs…』
「ちゃん?」
『ううん、何でもない!桃ちゃんは何かやりたいものはある?』
赤司君は何するの?
この質問は咽で止まった。赤司君はもう前を向いていて、確かに話しかけるなオーラというものが出ていた気がする。さっきまで普通だったのに。
それからそのオーラが解放される事はなかった。