第2章 もう1人の…
翌日。
「おはよーちゃん!昨日はすっごく楽しかったね!」
『おはよー、桃ちゃん。楽しかったねー!桃ちゃんが喜んでくれたみたいで良かったよ』
牧田「おっすー。今日から授業とか最悪だよなー」
『それは同感。中学の勉強って難しいって聞くし…』
次々に学校にやって来て、自然と昨日のメンバーが集まってくる。来てないのは西松君だけだ。
昨日西松君に家まで送ってもらった。送ってもらったって言ってもあたしの家はカラオケのすぐ近くにあり、5分くらいで着いたけど。ほとんど無言状態で。
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『ごめん西松君、あたしの家ここなんだ』
西松「えっ!?もう着いたの!?」
西松君は少し残念そうに言った。むしろ早く帰れてラッキーなのではないか。
西松「明石さん」
『んー?』
西松「今日はありがとう。明石さんのおかげですげー楽しかった」
『それは良かった。あたしこそ送ってくれてありがとうね』
西松「俺が送りたかっただけだから。明石さんともっと喋りたかったし」
『明日からも学校で会えるじゃん』
西松「…今はそれで十分だよ。また明日、明石さん」
変な西松君。今はって、これから何か問題でも出てくるのだろうか。1年後クラスが離れちゃった時の問題?それは速すぎるよね。
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結局分からないまま今日を迎えた。その西松君の声が頭の上から聞こえた。西松君はバスケ部に入るくらいだから身長が高い。
西松「おはよう、明石さん」
『おはよー、西松君』
西松君は昨日に比べたら笑顔が増えたと思う。これからもそうであってほしいな。